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『フォークボール』を研究!

2004/10/23放送

現在のプロ野球において究極のウイニングショットといえるのが「フォークボール」である。
真っ直ぐ飛んできてバッターの直前で大きく落ちる。プロ野球中継などを見ているとその落差に驚かされる人も多いはず。ところがそんなフォークボールが「落ちていない」というのだ。
中京大学の桜井教授によると力学的には「引力以上に落ちているか、いないか」がボールが落ちているかの
いないかの基準になるという。

例えばカーブの場合、回転によって引力以上に落ちる力が働き、その軌道はバッターの手元で急激にカーブを描く。

つまりカーブは落ちているとなる。
ところがフォークの場合、調べてみると引力以上に落ちる力はなく、その落ち方は緩やかな放物線となる。
つまり引力以上に落ちていないため、フォークボールは落ちていないとなるのだ。


しかしこの結論に所長が納得せず、自ら実験を行うことに・・・
場所は都内某野球場。桜井教授の協力で万全の検査体制がとられる中、フォークボールを投げてくれるのはナントあの村田兆治さん。
独特のマサカリ投法で通算215勝。フォークボールの達人である。

そして実験がスタート。まずは55歳とは思えぬ村田さんの140キロ近いストレートに大興奮の所長。


そして所長自ら打席に立っていよいよ伝説のフォークボールが・・・
その落差の大きさに驚く所長。貴重な体験に大興奮するとともに改めてフォークボールが落ちていることに確信を得た。
そして後日、実験結果が所長の目の前に。
計測の結果、村田さんのフォークボールも引力で落ちた場合とほぼ同じ軌道、つまり「落ちていない」ということだった。
所長も何とかこの結果を認めたが野球の奥の深さに改めて感動していた。
まとめ

フォークボールは力学的には落ちていないボールである。
でも村田さんのフォークは凄く落ちていた by所長


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