3年。
「我々にとっては“もう3年”。皆さんはどうですか?」
被災地を訪れ、仮設の店舗で寿司を握る大将に聞かれました。
「津波で何もかも無くなったけど、“あと2年”もすればまた同じ場所に店を構える。元の生活に戻れるよ。」
その表情は明るく、“まだ2年”もかかるというニュアンスではないことが印象的でした。
1つ1つに重みを感じる大将の言葉。最後に、
「少しでも多くの人がこの地を訪れて何かを感じ、今後の減災に
繋げてほしい。」
そう言って送り出してくれました。
東北ではたくさんの新しい友人もできました。
居酒屋さんで仲良くなり、翌日に気仙沼を案内してくれた同世代の男性。
仮設住宅の生活を見せてくれた新婚のお父さん。
同郷であることが判明した喫茶店のマスター。
また数年後、お世話になった皆さんの元を訪ね、
寿司を食べ、お酒を飲み、新居をうらやみ、コーヒーの香りを
楽しみに行きます。
そこには、もう新しい景色が広がっているはずです。