マタニティーマークを知っていますか?
名古屋市内に住む27歳の女性は、妊娠5ヶ月だった去年ツライ思いをした。
名古屋の市バスの車内。
優先席に座っていると、立ちはだかるように60歳台と見られる女性が。その女性の目は明らかに「立ちなさいよ」と言っている。数分間、二人の間に重い空気が漂った。初老の女性は「最近の若い人はスゴイね。堂々と座って」と吐き捨てた。
妊娠中の女性は、座るかどうか迷ったけれど、お腹の赤ちゃんのことを思うと立っているのは怖かった。
初老の女性は、妊娠中であることに気付かなかったのかもしれない。もちろんこの女性も体のどこかに大変な部分を抱えていたのかもしれない。
外見では分からなくても、つらい思いをしている人はいる。
帰宅に市バスを利用している。
最近、車内で可愛らしいピンク色のイラストを目にする。
「マタニティーマーク」をご存知でしょうか?
厚生労働省が去年3月に定めたもので、「妊産婦にやさしい環境づくり」を推進しようというものだ。
全国から寄せられた1661作品の中から選ばれた。
去年8月末の時点で、全国の64の都道府県や市町村等がマタニティーマークの入ったバッジやキーホルダーを作成し配布している。
名古屋市も市バスや地下鉄、名鉄の車内やデパートなどにマタニティーマークのポスターの掲示をお願いし、また妊婦さんを見かけたら席を譲ることや、妊婦さんのそばでの喫煙を控えることを呼びかけている。
このマタニティーマーク。既にいくつかの自治体では独自のものを定めていた。東京・千代田区や京都市そして豊田市などがそれぞれのマタニティーマークを作り、ストラップなどを配布していた。
名古屋市としても「是非このようなものを作ろう!」と言う声が、市の職員からも市議会からも上がっていたそうだ。そんな折、厚生労働省が作成。
名古屋市は今年4月から、母子健康手帳を交付する際にマタニティーマークをデザインしたキーホルダーをお母さんに渡している。それ以前に母子手帳を受け取り、現在妊娠中の方は各区の保健所で受け取れるということです。
名古屋市子育て支援課の伊藤さんは「今はとにかくこのマークを知ってもらうことが重要です。妊婦さんや子どもに優しい街づくりを目指しましょう」と呼びかけている。