御嶽への想い
ある晴れた秋の週末。
御嶽山に登りました。
あの噴火から5年。
あの日、沢山の人が登りたいと思った山とはどんな山なのか。
そこから見える景色とはどんなものなのか。
きちんと自分の目で確かめたくて
いつか、登りたいと願っていました。
実際に登った御嶽山は
山の頂上に近づくにつれて
葉が美しく紅葉し、赤や黄色に染まっていました。
急な山道をただひたすらに登っていく苦しさの先には、
抜けるような青空と、眼下に広がる神秘的な雲海がありました。
胸いっぱいに吸い込みたくなる澄んだ空気。
夜、キンと冷えた空気の中見上げる、無数の星空。
神聖さを感じるほどの美しい朝日。
山に魅了される方たちの気持ち、
初めての御嶽山で存分に味わうことができました。
一方で…。
私たちが宿泊した五の池小屋から1時間ほどさらに登っていくと
噴火した火口のすぐそばに、頂上があります。
これまで見ていた御嶽山の美しさとは
全く違った、御嶽山の表情がありました。
5年経った今でも、灰色に染まった山肌。
噴石によって崩れたままの灯篭。
そして何より、今も5人の方が、あの噴火によって行方が分からないままとなっている。
自然が与えてくれる歓びと、人の力が及ばない自然の恐ろしさを
改めて知る登山となりました。
今回一緒に登ったのは、気象予報士の修作さんと愛子ちゃん、
そして年に2~3回は御嶽に登るという御嶽マスターのディレクターの4人。
トライアスロンが趣味の修作さんは、さすがの体力でサクサク軽々と登って行き、
愛子ちゃんは苦しそうながらもペースを崩さず進む中、
私は、10歩進んでは休憩し、時折荷物を持ってもらいながら、何とか頂上に辿り着くという体たらく・・・
元バスケットボール部という薄っぺらな肩書は風にのって飛んでいくほどはかないものでした。
また御嶽山に登りたい。
その一心で、今度こそ本気でジムに通うことを決意した、秋の特別な経験となりました。