忘れられない夏の記憶
時には雷鳴が轟き、名古屋の空が真っ黒い雲に覆われた、
7月25日の瑞穂球場。
夏の高校野球愛知大会4回戦で、大きな出来事がありました。
去年の愛知大会覇者・中京大中京高校に
母校・時習館高校が勝利したのです。
中京大中京高校は、
おととし全国制覇を果たした、全国屈指の強豪校。
甲子園の舞台では、
春・夏合わせて11回の優勝を誇り、その数は全国最多。
今年は、3年連続の愛知大会優勝を目指して
選手たちは紛れもなく、血のにじむような努力をしてきたはずです。
勝負の世界、殊に高校野球に関しては、
本当に何が起こるか分からないのだと
実感する試合でした。
時習館高校の勝利は
後輩たちの日々の努力が結果として表れたことが本当に嬉しかったです。
でも、一方で、中京大中京の選手たちの抱えるプレッシャー、
そして、この1年必死で野球に取り組んできた姿を想像すると、
私も“単純”に喜ぶことは出来ませんでした。
勝負の世界は厳しい。
どれだけ真剣に練習をして
どれだけ必死で勝負をしても
勝敗はついてしまう。
でも、
「自分たちがやって来たことをやれば、勝てると信じていました。みんなが勝利に向かって一球一球、集中できた結果です。」と話すキャプテン・高崎選手の姿を見て、
努力無くしては、運を呼び寄せ、勝利を掴むことは決して出来ない、と
改めて強く感じました。
今年も、球場の球児たちに
勇気をもらった夏になりました。
愛知大会で見事初優勝を果たし、
この夏、全国の舞台で戦う切符を手に入れたのは、創部6年目の至学館高校。
187校の思いも一緒に連れて、
甲子園で躍動する姿を見せて欲しいです!