【戦後70年】わたしの祖父
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新年度、「UP!」で
「しおりの戦後70年」という企画がスタートしました。
第一回は、私の祖父の戦争体験を取材しました。
祖父は、私が生まれた時から左腕がありませんでした。
「戦争で切った」とは聞いていましたが
実際にどんな戦闘だったのか、
戦争で何をしたのか、
詳しい話は聞かないまま、
祖父は6年前に他界しました。
祖父から直接話を聞くことは出来なくなってしまいましたが、
今回、取材を進めていくと
意外にも、祖父にまつわる写真や資料は
沢山残されていることが分かったんです。
残されているのに、埋もれてしまっているものが多くあることにも気づきました。
祖父は昭和12年9月、上海に上陸し
すぐに戦闘に加わりました。
夢中で銃を撃つ最中、
近くで手榴弾が爆発し
その破片が腕に刺さって
左腕のほとんどを切断することになったんです。
負傷して帰国した祖父は
二度と戦地に戻ることはなく、終戦を迎えました。
戦後、祖母と結婚し、5人の子どもをもうけ、
そして、私が生まれました。
![02](http://www.nagoyatv.com/archives/190/files/2015/05/02.jpg)
祖父は、厳しい人でした。
それは、腕をなくしたことで、「人に負けたくない」という気持ちが強かったんだと思います。
「出来ないこと」を腕のせいにしたくない。
だからこそ、自分にも厳しかったし、人にも厳しかったんだと思います。
戦争がなかったら、どんな人生だったのか。
戦争を生き抜き
左腕を失ったことで、
祖父の人生は大きく変わったことは確かです。
腕をなくしたことで、
ひょっとしたら、「戦死するより辛い」と思ったことも
あったかもしれない。
戦友のことを想い、眠れぬ夜を過ごしたこともあったかもしれない。
それでも、強く生きてきてくれたことに、
心の底から感謝したい気持ちになりました。
そして、今の平和の「奇跡のような幸せ」を
実感することが出来たんです。
私達は、戦争を知らない世代です。
でも、日本は確かに戦争を経験しました。
それが一体、どんなものだったのか。
それを知る必要はあると思います。
今年、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。