竹田 基起

PROFILE

三度の飯と
「本」が好き

新たな一歩

死者58人、行方不明者5人を出した大災害、御嶽山の噴火から一年以上が経ちました。

あの噴火から数日後、ヘリコプターからの中継を担当しました。
そのとき、山のことが何もわからず、もっと伝えられることがあるはずなのにと歯がゆい思いをしたことがずっと胸に引っかかっていました。

数ある山の中でも、特に御嶽山を愛してやまないアナウンス部の登山家・同期の堂野アナが、噴火後の御嶽山を見ておくというので連れて行ってもらいました。

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初めての本格的な登山。
途中、何度も心が折れそうになりました。正直、もう登るのをやめようと思ったこともありました。
それでも、同期の励ましを受け、休憩を挟みながら約3時間半。
何とか五の池小屋に到着。山小屋のキレイさ、食事のおいしさ、山で出会う人たちの温かさ、何もかもが新鮮で何もかもに感銘を受ける自分がいました。

山頂から見た雲海、夕日、星空。残念ながら拝めなかったご来光までも。
全てが私に感動を与えてくれました。

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噴火の後、登山者の数は減っているそうです。
私たちが登ったのはシルバーウィーク初日。
「山小屋、いっぱいだと思ってた」と言った堂野アナの言葉が印象的でした。
あの噴火を突きつけられて、御嶽山に登ることに二の足を踏んでいる人もいるかもしれません。
たしかに、「山はこわい」その気持ちを抱いてしまうし、その気持ちを持っていなければならないということも教えられました。

しかしもう一度、一歩を踏み出してみてください。
御嶽山は、いつでもそこで来る者を待ってくれています。
いつものあの人、何度も来ているあの人、初めての人。
全ての人を温かく迎えてくれるはずです。

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一アナウンサーとして、私にできることなんてないに等しいのかもしれません。
それでも、美しい御嶽山に迎え入れてもらった人間だからこそできること、話せることを探していきたいと思っています。