名古屋テレビ

  放送番組審議会だより 


 このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
 名古屋テレビ放送の番組審議会委員は11名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。

 名古屋テレビ放送では、番組審議会でのご意見を、毎月第1土曜日の午前11時25分から放送する「オンブズ11」の中でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

平成11年度放送番組審議会委員(敬称略)~11名~

○委員長   塩 澤 君 夫  (名古屋大学名誉教授)
○副委員長 矢 崎   藍  (作家 桜花学園大学教授)
○委  員 加 藤 幸兵衛  (陶芸家)
○  〃 村 山 きおえ  (画 家)
○  〃 楠 田 堯 爾  (弁護士)
○  〃 水 野 新 平  (ホーユー社長)
○  〃 関 谷 崇 夫  (名鉄副会長)
○  〃 磯 部   克  (日本ガイシ副社長)
○  〃 石 塚 正 孝  (JR東海常務)
○  〃 木 全 純 治  (シネマスコーレ支配人)
○  〃 小川クリスティーン(金城学院大学客員助教授)


第411回 名古屋テレビ放送番組審議会

●開催日    平成12年2月18日(金)
●出席委員   委員長
委 員
 〃 
 〃 
 〃 
 〃 
 〃 
 〃 
 〃 
 〃 
   

副委員長

塩 澤 君 夫
加 藤 幸兵衛
村 山 きおえ
楠 田 堯 爾
水 野 新 平
関 谷 崇 夫
磯 部   克
石 塚 正 孝
木 全 純 治
小川クリスティーン
     ~以上10名~

矢 崎   藍
(リポート提出)

●議 題 ○局側の事業報告
 『Let'sドン・キホーテ』と、
 『伝えたい故郷(ふるさと)』について
 放送番組全般について
 平成12年3月の主な放送番組の説明
 事務局報告その他

●議事の概要

 ◇ 事業報告 
「青少年と放送」に関し二点報告した。
一つ目は、「放送と青少年に関する委員会」、通称「青少年委員会」が、今年4月に、放送番組向上協議会の中に新設されることになった。民放連とNHKが共同で設立するもの。
二つ目は、これも「青少年と放送」問題への対応策として打ち出された、民放とNHKが、共同企画した番組を放送する件で、第一作目は、「テレビは子供とどう向きあっているか」というタイトルで、NHKが45分番組として制作し、NHKは昨年末に放送、民放はこの地方では、今年この番組を担当する日本テレビの系列である中京テレビで、今月10日に、CMなしで再放送された。
夕方の情報系ワイド番組について。
現在の「情報ライブ トゥー・ユー」は、見直しを図るため、昨年の12月20日から、55分短縮した形て放送しているが、4月3日から新番組として「ニュース TRYあんぐる」をスタートさせる。詳しくは、来月14日に行われる、放送記者会との記者会見の席上で公表する。
一昨年の9月、中国の大連電視台と友好提携を結び、それを機に大連電視台国際部に在籍する林新国君(26歳)が、昨年11月から当社に研修に訪れていたが、三ヵ月間の研修を終え、今月2日に中国に帰国した。
中国では2月5日が春を迎える「春節」で、旧正月の賑やかなお祭りが行われる。朝の情報番組「コケコッコー」では、この模様を2月7日から四日間放送したが、帰国したばかりの林君も様子を伝えてくれた。

 ◇ 『Let'sドン・キホーテ』についての審議
  この番組は、毎週土曜日午後10時55分から放送している、30分のアウトドア番組。毎回中本賢を中心とした「ドン・キホーテ隊」が、あるがままの自然を楽しみ、自分たちなりの遊び方を見つける。 昨年10月、10年目に入った長寿番組。
 
リラックスした日帰り旅行を、気軽に楽しむといった感じで、自分が一緒に参加しているような雰囲気がある。30分に圧縮されているが、無理な感じはしない。
最近の旅行の傾向は、グループで、歴史だとか、文化、自然、食べ物など、より狭く深いものを求める傾向が強い。この番組はそうした傾向に合っているが、もう少し専門的な解説を加えると、中身が締まってくるのではないか。
出演者が、皆、市民感覚の常識的な人たちばかりだ。一人ぐらい特異的なキャラクターの人とか、とびきり若い人、あるいは、面白い発言や発想をする人が入っていてもいいのではないか。ややピリッとしたところに欠けると思う。
番組の始めに、これから行くところについて、立体的な模型を使うとか空撮で写すとかして、見ている人達がもっとわかりやすい工夫が出来ないか。そうすれば目的地までどのように行くのか、途中何があるのか、時間と共に楽しんで見られるのではないか。
山、川、海それぞれの自然のいとなみのダイナミックな凄さ、豊さ、そうした自然のいとなみの中で、人間が生かされているのだということを、もっと強く主張してもいいのでは。それに、我が街我がふるさとに何があるんだということを知らない人が多い。隠された、素晴らしい所を、今後も取り上げて欲しい。
ナレーターの女性の声が、幼いっぽいのが気になる。また女性の出演者が騒がしくはしゃいだりしないのはいいが、余りにも軽い感じの発言ばかりで、女性としてキリっとした発言をすると、この番組が、もっと生きてくるのではないか。
以前はもっと自然破壊とか環境問題を視野に入れながら、明るい希望みたいなものを見つけていくという姿勢があったのではないか。  この一ヵ月の番組を見ると、ただ遊んで楽しければいいというような感じで、番組の内容が変わってきたような印象を受けた。
全部自前でやっているところがいい。出演者が、山を登り降りして、汗を流し歩く。そして弁当を拡げて食べる。こうした画面を見ていると、今はやりのグルメ番組のように、さっと目的地に行って、出されたものを食べて、本当にお金を払っているのかなあと思わせるような番組よりずっといいと思った。

 ◇ 『伝えたい故郷(ふるさと)』についての審議
  この番組は、テレビ朝日系列の中部地方の5局(名古屋テレビ、静岡朝日テレビ、長野朝日テレビ、北陸朝日放送、新潟テレビ21)が共同制作した番組で、2月12日(土)午後4時~5時25分で放送した。
5局が、それぞれ1年を通じて追いかけてきたヒューマンドキュメンタリーを一つの番組にまとめ、次の世代に伝えたいメッセージを探し出していくというもの。
 
ここに登場する人たちは、いずれも、つらい作業を辛抱強く続けることが張り合いとなっていて、仕事の厳しさを映像で教えてくれた。仕事を成し遂げた時の笑顔が、とてもさわやかで美しく、心を打たれた。
ここに映し出されたのは、日本人の原風景ともいえるもので、生きるということを考えさせられる番組だった。
全体的にテンポがゆっくりで、映像がきれいだった。長良川で最後の船大工となった人が、人はこうして生きているものだと、滅びゆくことへの感傷にひたらないで、淡々と自然に語っていたのが印象的だった。
いい趣旨の番組で、一つひとつの話の内容は良かったと思う。しかし、ブナの実の紹介で、もっと知りたいなと思った時には話題が次に行ってしまったように、簡単に通り過ぎてしまったところが随所にあった。
新潟県の小千谷縮(おぢやちぢみ)の伝統を若い人が受け継いでいくということが紹介されたが、どんなところに惹かれたのか、聞いてみたかった。民話とか昔話を語り部が伝えるように、テレビがこうした番組をこれからもつくっていって欲しい。
伝えたい大切なメッセージとは何かと考えると、それは、自由で時間に束縛されない、のんびりと急がないで生きられるところ。他の人と、自然と、協力し合って生きていけるところではないかと思った。番組の最後のところでは、自然と仕事と人間の関係が、もっと語られると良かった。
故郷(ふるさと)という言葉には、伝統と自然、歴史といったことの他に、人の生き方が深くかかわっているということが大変よく伝わってきた。故郷(ふるさと)は人だ。そこにやさしい思いやりのある人たちが紹介されていた。とてもいい番組だった。
 
以上のような意見が出された。
 

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