◇ 『Let'sドン・キホーテ』についての審議 |
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この番組は、毎週土曜日午後10時55分から放送している、30分のアウトドア番組。毎回中本賢を中心とした「ドン・キホーテ隊」が、あるがままの自然を楽しみ、自分たちなりの遊び方を見つける。
昨年10月、10年目に入った長寿番組。
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リラックスした日帰り旅行を、気軽に楽しむといった感じで、自分が一緒に参加しているような雰囲気がある。30分に圧縮されているが、無理な感じはしない。 |
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最近の旅行の傾向は、グループで、歴史だとか、文化、自然、食べ物など、より狭く深いものを求める傾向が強い。この番組はそうした傾向に合っているが、もう少し専門的な解説を加えると、中身が締まってくるのではないか。 |
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出演者が、皆、市民感覚の常識的な人たちばかりだ。一人ぐらい特異的なキャラクターの人とか、とびきり若い人、あるいは、面白い発言や発想をする人が入っていてもいいのではないか。ややピリッとしたところに欠けると思う。 |
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番組の始めに、これから行くところについて、立体的な模型を使うとか空撮で写すとかして、見ている人達がもっとわかりやすい工夫が出来ないか。そうすれば目的地までどのように行くのか、途中何があるのか、時間と共に楽しんで見られるのではないか。 |
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山、川、海それぞれの自然のいとなみのダイナミックな凄さ、豊さ、そうした自然のいとなみの中で、人間が生かされているのだということを、もっと強く主張してもいいのでは。それに、我が街我がふるさとに何があるんだということを知らない人が多い。隠された、素晴らしい所を、今後も取り上げて欲しい。 |
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ナレーターの女性の声が、幼いっぽいのが気になる。また女性の出演者が騒がしくはしゃいだりしないのはいいが、余りにも軽い感じの発言ばかりで、女性としてキリっとした発言をすると、この番組が、もっと生きてくるのではないか。 |
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以前はもっと自然破壊とか環境問題を視野に入れながら、明るい希望みたいなものを見つけていくという姿勢があったのではないか。
この一ヵ月の番組を見ると、ただ遊んで楽しければいいというような感じで、番組の内容が変わってきたような印象を受けた。 |
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全部自前でやっているところがいい。出演者が、山を登り降りして、汗を流し歩く。そして弁当を拡げて食べる。こうした画面を見ていると、今はやりのグルメ番組のように、さっと目的地に行って、出されたものを食べて、本当にお金を払っているのかなあと思わせるような番組よりずっといいと思った。 |
◇ 『伝えたい故郷(ふるさと)』についての審議 |
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この番組は、テレビ朝日系列の中部地方の5局(名古屋テレビ、静岡朝日テレビ、長野朝日テレビ、北陸朝日放送、新潟テレビ21)が共同制作した番組で、2月12日(土)午後4時~5時25分で放送した。
5局が、それぞれ1年を通じて追いかけてきたヒューマンドキュメンタリーを一つの番組にまとめ、次の世代に伝えたいメッセージを探し出していくというもの。
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ここに登場する人たちは、いずれも、つらい作業を辛抱強く続けることが張り合いとなっていて、仕事の厳しさを映像で教えてくれた。仕事を成し遂げた時の笑顔が、とてもさわやかで美しく、心を打たれた。
ここに映し出されたのは、日本人の原風景ともいえるもので、生きるということを考えさせられる番組だった。 |
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全体的にテンポがゆっくりで、映像がきれいだった。長良川で最後の船大工となった人が、人はこうして生きているものだと、滅びゆくことへの感傷にひたらないで、淡々と自然に語っていたのが印象的だった。 |
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いい趣旨の番組で、一つひとつの話の内容は良かったと思う。しかし、ブナの実の紹介で、もっと知りたいなと思った時には話題が次に行ってしまったように、簡単に通り過ぎてしまったところが随所にあった。 |
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新潟県の小千谷縮(おぢやちぢみ)の伝統を若い人が受け継いでいくということが紹介されたが、どんなところに惹かれたのか、聞いてみたかった。民話とか昔話を語り部が伝えるように、テレビがこうした番組をこれからもつくっていって欲しい。 |
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伝えたい大切なメッセージとは何かと考えると、それは、自由で時間に束縛されない、のんびりと急がないで生きられるところ。他の人と、自然と、協力し合って生きていけるところではないかと思った。番組の最後のところでは、自然と仕事と人間の関係が、もっと語られると良かった。 |
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故郷(ふるさと)という言葉には、伝統と自然、歴史といったことの他に、人の生き方が深くかかわっているということが大変よく伝わってきた。故郷(ふるさと)は人だ。そこにやさしい思いやりのある人たちが紹介されていた。とてもいい番組だった。 |
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以上のような意見が出された。
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