◇ テレメンタリー
『31年目の絆~酒と覚せい剤を越えて~』についての審議 |
番組は平成12年12月3日(日)の深夜1時から30分間放送された作品で、アルコール依存症であった父親と、覚せい剤取締法違反で刑期を終えたばかりの31歳の息子との、生活ぶりを追ったドキュメンタリー。委員からの主な意見は次のとおり。
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自分の本名で、顔も家も隠さずに出る親子の勇気に感動した。こういう行動がアルコール依存症や覚せい剤中毒に落ち込んでいる人に励ましを与え、立ち直る勇気を与える番組となっている。個人ではなく家族で更正の道を歩んでいくのにも感動した。 |
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幅広い取材と長期にわたる粘り強いカメラワークで、ドキュメンタリーの基本を守っている。取材対象にも恵まれたと思う。控えめながら、観る人を考えさせる番組であり、観た人にとっては考えれ幅を広げる番組となっている。 |
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取材者が画面に登場せず、インタビュアーの声だけでは、取材者の立場がどこにあるのかが分からない。これだけ多くの質問をオフでするのなら、初めから取材者が画面に登場したほうがいい。取材者がこういう親子をどう見たか、刑務所やリハビリ施設で感じたことなどを、画面に出て伝えたほうが良かったのではないか。 |
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アルコール依存症を表現するために、氷の入ったグラスが倒れるシーンがあったが、この番組においては想像するカットや再現シーンは、かえって不自然さを覚える。
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女性ディレクターらしいデリカシーに包まれた全体の描写の中で、再現シーンが浮き立って見えてしまい、不要だと感じた。 |
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普段あまり目にすることの無い刑務所の風景やそこに収監されていた息子と父親の会話など、なかなか迫力のある作品だ。家族を描きながら、なぜ母親が出てこないのか。母親を含めて描けば作品にもっと厚みや深さが出たのではないか。 |
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人が育っていく中で、家庭がいかに大切かを訴えている作品である。家庭を預かる人たち、特に主婦に見てもらいたい作品だが、日曜日深夜の1時という放送時間には納得いかない。 |
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以上のような意見が出されました。 |
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