◇ 自社制作番組
『タイムトリップ夢街道』についての審議 |
番組は平成13年1月27日(土)の午後2時から1時間55分枠で放送された作品で、旧東海道の御油の宿から伊勢街道に至る宿場町をタレントの村上不二男と大川敦子アナウンサーが訪ねて、残された町並みや伝統工芸とそれを伝承する人々との触れ合いを通して、昔と今を考える歴史紀行番組です。なお、この作品は2月10日にBS朝日でハイビジョンで放送されました。委員からの主な意見は次のとおりです。
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歴史を切り口の旅番組
食事や宿泊を中心とした従来の旅番組と異なり、歴史を踏まえた切り口の構成は評価できる。また、伝統を探るのではなく、有松絞りの応用など現代にどう生きていくのかをえがいているのもいい。
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構成の統一性に欠けた
東海道を描く前半は松並木や今に残る町並みを浮世絵などをもとに検証しているが、伊勢街道に入る後半は食べ物の話題が中心となったのは惜しい。前半、後半で番組構成の統一が取れなかったのが残念だ。
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弥次喜多は不要
江戸時代の雰囲気を見せるために弥次喜多の扮装をした出演者が出てくる再現シーンがでてくるが、姿、形を含めて雰囲気が十分出しきれず、かえってしらけたものと感じられた。弥次喜多は不要と思う。
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観光意識のズレを探る
街道沿いの町は総じて衰えている。街道の宿(しゅく)というかつての観光地がさびれているのは、現代人の観光意識とのズレから生じているのではなかろうか。このあたりを番組で追求してもよかったのではないか。
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旅に出たくなる
街道の歴史や地理、工芸品と技、それに食文化がめんめんと人々に引き継がれて いることがバランスよく描かれており、一度訪ねて見たい気持ちにさせる番組であった。旅籠の主人や味噌やの経営者など伝統を守っているご本人の言葉にも本物の迫力が感じられた。
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旅の区切りに疑問
旅ものの出発点が東海道五十三次の一つである御油から始まっているが、本来ならば江戸の日本橋から出発するのが普通ではないか。取り上げる区間の区切り方に説明がなく、納得しづらい。また、作品の長さも2時間はつらい。1時間の作品で回数を増やしたほうが見やすいのではないか。
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昔の生活が偲ばれた
赤坂宿の旅籠、大橋屋が今でも営業を続けているのには驚いた。江戸時代の旅人はふすま一つ隔てた部屋で他人を思いやり、お互いを気遣いながら静かに旅の一夜を過ごしていた。携帯電話のあふれる現代人とは違った、生活の姿が偲ばれて面白かった。
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おいしさの表現方法は
旅番組にグルメ情報はつきものであるが、見せ方に工夫がほしい。食べ物を口に運び、食べるシーンを必ず見せるが、食べる姿は決して品がいいとは言えない。食べるシーンを省いて食べ物のおいしさなどを表現する手法を研究してもらいたい。
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といった意見が出されました。 |
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