◇『仰天!七千段の世界遺産~中国・泰山紀行~』についての審議
平成13年4月30日(月)午前9時55分~10時45分の枠で放送。 |
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泰山の名前は知っているが
日本の富士山のように中国歴代の皇帝や今の中国人があこがれとしている泰山の名前は聞いているが、その実像やいわれなどに接触する機会は少ない。興味を持って見られたし、中国人の普段の生活ぶりも見ることができて楽しめた。
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雰囲気をうまく表現
番組としては大鶴義丹と藤谷美紀の2人が別々のルートで頂上を目指す行程をカメラが追う構成になっている。中国の自然が持つスケールの大きさや奥深さは番組の端々から感じられるし、各々のレポーターに異なる役割を与えて、ポイントごとに登場させて、映像もそれを丁寧にとらえていた。
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泰山の紹介がおろそか
2人のリポーターにそれぞれの役割を持たせる構成は分かるが、レポーターの動きを追いすぎるあまり、肝心の泰山という山の歴史的、文化的なきちんとした紹介や登山ルートなどの説明がおろそかになっていた。
また、今の中国人が泰山をどうとらえているかもインタビューなどで紹介してほしかった。 |
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子供との交流が不自然
見ず知らずの日本人が田舎の小学校に行って、いきなり教壇に立つというのは信じられない。さらにバスをチャーターして泰山へ連れて行くというのも考えられない。
視聴者としては作りすぎている印象を受けるので、他局の「ウルルン滞在記」のように、段取りを素直に表現したほうがいいのではなかろうか。
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構成は良かったが
ドキュメントと銘打った作品で、登山の表道と裏道、男と女、剛と柔、人と自然など二つの対比で見せることは作品の基本を押さえている。この二つの対比について、どこかで接点を見出せれば作品として完成度が上がる。
この接点は泰山であり、高い山に登るとういことであろう。残念ながらこの接点の描き方が不十分であったため、見た後の満足感が不足した。 |
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ナレーションに不満
番組全体を通して、ナレーションのコメントが多すぎる印象を受ける。インタビューやリポーターのコメント不足をナレーションで補っているためであろう。また、ナレーション原稿の言葉の使い方が無神経であったり、矛盾があったりする個所が多くあった。誇大なナレーションのため感動や感動を喚起されることがなかった。
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共同制作の課題は
作品全体の印象として、日本人として知りたいとや見たいことが十分紹介されていなかった。中国との共同制作の中で、日本側の制作意図が十分伝わっていなかったのではないか。多角的、多面的な切り口が期待できる共同制作は面白い発想だが、反面両国の発想の差が出たようだ。
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