名古屋テレビ

  番 組 審 議 会 だ よ り 

 
このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき 名古屋テレビ放送の番組審議会の議事の概要をお知らせする ページです。
名古屋テレビ放送の番組審議会委員は12名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放 送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。

名古屋テレビ放送では、番組審議会でのご意見を、毎月第1土曜日の午前6時45分から放送する「オンブズ11」の中でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
 
平成13年度放送番組審議会委員(敬称略)~12名~
委  員  長 加 藤 幸兵衛 (陶芸家)
副 委 員 長 磯 部   克 (日本ガイシ副社長)
委      員     (名大名誉教授)
関 谷 崇 夫 (名鉄副会長)
石 塚 正 孝 (JR東海専務)
木 全 純 治 (シネマスコーレ支配人)
小川クリスティーン (金城学院大学客員助教授)
赤 塚 行 雄 (社会評論家)
伊豫田 静 弘 (知立市文化会館長)
足 立 邦 彦 (エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海社長)
高 田 弘 子 (都市調査室代表)
  ハンス ユーゲン・マルクス 南山大学長)




  第425回
名古屋テレビ放送番組審議会
 
開  催  日 平成13年6月20日(水)
出 席 委 員 委  員  長 加  藤 幸兵衛
  副  委  員  長 磯 部   克
  委     員 塩  澤 君  夫
  足  立 邦  彦
  石  塚 正  孝
  木  全  純  治
  関 谷 崇 夫
  赤  塚 行  雄
伊豫田 静  
     
  ハンス ユーゲン・マルクス
   
 
~以上11名~






 議題  ・局側の事業報告
  ・『喪ったあとで~ある犯罪被害者遺族の18年~』について
  ・放送番組全般について
  ・平成13年7月の放送番組についての説明
  ・事務局報告その他




議 事 の 概 要
◇ 事業報告(桑島社長)
   
  名古屋テレビの第54期決算について報告。
  桑名の小型機とヘリコプターの衝突事件で、視聴者から映像提供があったこと。
  名古屋地区デジタル親局設置場所についての進捗状況を報告。
  名古屋テレビ制作のドキュメンタリー「31年目の絆~酒と覚せい剤を越えて~」がギャラクシー賞の選奨に入賞したこと。
  名古屋テレビの役員、社員人事について。
 
以上について報告した。
 
 




◇『喪ったあとで~ある犯罪被害者遺族の18年~』についての審議
平成13年5月26日(土)午後4時30分~5時25分の枠で放送。この作品は凶悪殺人事件で弟を失った愛知県内に住む男性が、犯人である死刑囚の死刑執行停止を法務大臣に訴えたことを背景にして、人の感情と死刑制度のありかたを考えたドキュメンタリーです。主な意見はつぎのとおりです。
   
(1) 興味あるテーマ
興味の持てるテーマで、犯罪被害者と死刑囚の18年にわたる両者の関係の変化を、被害者の言葉を通して語らせる手法は成功している。激しいテーマであるが、ナレーション、効果音も抑制が効いており、テーマにふさわしい、雰囲気を壊さない適切なものであった。
(2) ドキュメンタリーに文学的アプローチ
死刑という社会的テーマというよりも、相対するシチュエーションに置かれた人間同士の感情の変遷を、ドキュメンタリーではあるが文学的なアプローチで描いたことで成功につながったと思う。
(3) 第三者と被害者本人の違いを描く
第三者から見ると加害者が死刑になって、被害者遺族はほっと一段落する気持ちになると考えるが、時がたつにつれて、裁判で死刑という極刑を望んだ主人公が「自由を拘束され、生きて一生罪の償いをしてもらいたい。死刑執行をしても何も残らない」という心境に変わっていき、そういうこともあるのかと思った。
(4) 主人公の人物描写が薄い
犯罪被害者という主人公はこれだけの取材に耐えて、コメントもしっかりしており大変立派の人物に見えるが、18年の年月が彼の生活や精神的な変化など、人となりをもう少し深く描いて、普通の人間だということが分かれば、もっと作品に深みがでたのではないか。
(5) ジャーナリストの基本を守った作品
大きな課題をつきつけた作品で、労をいとわぬ取材で、むつかしいテーマに肉つけをしていった。その過程でジャーナリストとして気をつけなければならない点を、制作者がしっかり押さえていたように見えた。それはテーマに対して常に冷静であり、取材対象者への思いやりがあったからだ。
(6) 番組の意図が不鮮明
死刑執行停止の上申書を犯罪被害者の遺族が法務大臣に上申書を提出するというショッキングなイントロで始まったが、この番組は犯罪被害者の救済がテーマなのか、死刑制度廃止を訴えるものか、はっきり見えない。  その一方で整理されないまま、乱れたまま伝えていることが、この問題の整理のつかない複雑な状況をよく伝えているとも言える。
(7) いいタイミングの放送
アメリカでオクラホマ州連邦政府ビル爆破事件の死刑囚が公開処刑された。死刑制度を残しているのは先進国ではアメリカと日本ぐらいだ。ブッシュ大統領はこの処刑について「復讐ではなく、正義が執行された」と発言したが、国民性の違いはあるものの、議論は高まると思う。
(8) 犯罪そのものの説明が不足
事件である殺人の動機や殺人犯の人物像の紹介が少なく、死刑囚として改心し、償いの心を持っているだけでは、犯人の性格や人格が読み取れない。事件の背景などをもっと詳しく説明しなと加害者と被害者の関係が、当初はどのようであり、時間の経過で心境がどのように変わっていったかが理解しづらい。
 
 
 
 
以上のような意見が出されました。




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