◇ 名古屋テレビ特集「私らしく・西本智美 ロシアを翔ける」合評
(2001年6月30日(土)午後4時30分~5時25分放送)
この作品はロシアで修行した若き女性指揮者の夢と活躍を描いたドキュメンタリーです。主な意見はつぎのとおりです。 |
|
|
・ |
素材・構成ともに良く、出だしから引き付けられる。コンサート直前の指揮者の不安や期待が良く出ている。その反面、ナレーションが問題だ。ナレーションは具体的事実を述べるべきで、抽象的なものはナレーションにそぐわない。若い女性が指揮者になろうとするガッツは映像で見せるべきだ。
|
・ |
主人公の意志の強さと瞬発力にはびっくりした。サンクトぺテルスブルクの冬の景色も良く、さまざまなことを想像できる作品と評価したい。しかし、"女性の"と強調することが多く、その姿勢は改めるべきだ。
|
・ |
若い女性指揮者のライフヒストリーを言いたいのか、日本の音楽界の狭さを言いたいのかわからない。いろいろなハードルを越えて指揮者になった事実をもっと出してもいいのじゃないか。
自分らしい生き方をした人がいる、というだけで制作の視点がわからない。素材の良さに助けられた感じだ。 |
・ |
女性が指揮者になろうとする勇気とひたむきなガンバリに胸を打たれる思いがした。志を高く持ってやり遂げるのには感心した。日本とロシアの合同演奏の評価などが番組に入っていると結末が締まったのではないか。
|
・ |
どうして名古屋テレビ特集で大阪出身の人を取り上げるのかわからなかった。指揮者ということに頼った作品だ。映像はいろいろあるが、物語になっていない。映像と見ている自分の思いに重なるものがなかった。ナレーションで「男装の麗人」などとしゃべる必要はない。すべてに大げさすぎる。
|
・ |
おおむね好感の持てる番組と思った。ストーリーとして品の良さがあった。結末が良くわからない、彼女の音学家としての評価がわからない、などの点はあるが、男性向きのパワーの要る指揮者という職業に女性が挑んでいる、と単純に考えればいいのじゃないか。 |
・ |
また、全体の流れ、構成で技巧的なところが目に付いた。コメントが独りよがりだった。 |
|
|
|