名古屋テレビ

  番 組 審 議 会 だ よ り 

 
このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき 名古屋テレビ放送の番組審議会の議事の概要をお知らせする ページです。
名古屋テレビ放送の番組審議会委員は12名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放 送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。

名古屋テレビ放送では、番組審議会でのご意見を、毎月第1土曜日の午前6時45分から放送する「オンブズ11」の中でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
 
2002年度放送番組審議会委員(敬称略)~11名~
委  員  長   幸兵衛 (陶芸家)
副 委 員 長 伊豫田 静 弘 (知立市文化会館長)
委      員 赤 塚 行 雄 (社会評論家)
足 立 邦 彦 (エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海社長)
高 田 弘 子 (都市調査室代表)
ハンス ユーゲン・マルクス 南山大学長)
野 嶋 孝 (中部電力副社長)
呉 智 英 (評論家)
河 合 弘 登 (河合塾理事長)
片 木 篤 (名古屋大学大学院教授)
      作家)




  第434回
名古屋テレビ放送番組審議会
 
開  催  日 平成14年5月15日(水)
出 席 委 員 委   員    長 加 藤  幸兵衛
  副 委 員 長 伊豫田 静  
  委     員 赤  塚  行  雄
   立  邦 彦
  高  田  弘  子
  ハンス ユーゲン・マルクス
  呉 智 英
片 木 篤
     
 
~以上9名~






 議題  (1) 事業報告
  (2) 「メディア規制3法案」反対声明
  (3) 「SABUさぶ」について
  (4) その他




議 事 の 概 要
◇ 事業報告(桑島社長)
   
  「SABUさぶ」視聴率
  2001年度テレメンタリー最優秀賞に当社制作「手を握るしかできない」
  メディア規制法案に対する当社の対応
 
以上について報告しました。
 
 




「メディア規制3法案」反対声明
4月の番組審議会に続き、再度メディア規制法案について審議しました。そして、全会一致で、名古屋テレビ放送番組審議会として「メディアを規制する法案に反対する声明」を出すことが決まりました。以下がその本文です。
2002年5月15日
メディアを規制する法案に反対する声明
名古屋テレビ放送番組審議会
委   員    長 加 藤  幸兵衛
副 委 員 長 伊豫田 静  
委     員 赤  塚  行  雄
足 立  邦 彦
高  田  弘  子
ハンス ユーゲン・マルクス
呉 智 英
河合 弘登
片 木 篤
   

 名古屋テレビ放送番組審議会は、今国会で審議されている「個人情報保護法案」「人権擁護法案」、それに自民党が国会への提出を準備している「青少年有害社会環境対策基本法案」に反対する。
 もとより「個人情報保護」「人権擁護」「青少年健全育成」の精神は尊重し賛同する。
 しかし、これらの法案は、憲法21条で保障される「表現の自由」を政府等の公権力の介入により脅かすばかりか、放送事業者が放送番組の適正化のため独自に設置している放送番組審議会の活動や、人権等の尊重を自主的に図るために設けた第3者機関「放送と人権等権利に関する委員会機構(BRO)」の存在を否定しかねないものである。
 当審議会は、放送をはじめとするメディアは国民の知る権利に応え、あらゆる不正、不当な行為をチェックする使命を有するもので、政府等の公権力に介入されてはならないと考える。
同時に、メディアはその使命を果し国民の信頼をかち得るためには、自らを厳しく律する不断の努力を怠ってはならない。そして、仮に個人の権利を侵害したり、青少年の健全育成に問題を生じさせた場合は自主的に解決をはかるべきであると考える。
 かかる理由から、当審議会はメディアを規制するこれらの法案に反対することをここに表明する。そして、放送をはじめとするメディアに一層の自主、自律の努力を求める。




「SABUさぶ」について
5月の課題番組の「SABUさぶ」についてご意見を伺いました。この番組は名古屋テレビ開局40周年記念特別番組で、原作は山本周五郎、放送は5月14日午後8時から9時48分でした。江戸時代の職人の世界を舞台に、2人の若者の無償の友情を軸にして、他者を思いやることの大切さを描いた作品です。
委員の主なご意見を紹介します。
光と陰のコントラストなど映像が大変きれいで、TVの普通の時代劇との差を強烈に感じた。さぶ役の妻夫木聡の演技が良かった。その一方で人間が成長を遂げて行く過程の描き方が足りない。たとえば、女衒のロクが最後に人間味をみせるが何故なのか。伏線が描けていない。
映像のフレームを巧く使っている。また最初のシーンと最後のシーンで傘が印象的に使われていた。他者のことを思うというのがこの作品のテーマだ。番組を見てそうしたメッセージを受け取って欲しいと感じるが、今の若い人たちにどこまでそうしたメッセージが届くかちょっと疑問だった。
大変良く出来た作品だ。BGMのサイモンとガーファンクルの歌が良くあっていた。ちょっと残念なのは、殴り合いのシーンが少し多すぎる、と感じた点だ。
原作のイメージが強く、最初はなかなか番組の世界に入って行けなかった。原作にないシーンだが、雨の中、おのぶがおすえに「あなたがやったのね」と迫るシーンは、良い手法だと思った。子役の2人は主人公にマッチしておらず、更にちょっと幼すぎると感じた。
手間ひまかけた映像がTVに出るのは良いことだ。こうした企画は是非またやってもらいたい。プロットをつかみ難いのは原作にも問題があるが、その原作をカットせずに短縮したから、わからなくなったのではないか。いわば原作を全部詰め込もうとしすぎたのだ。今度同じような企画があるなら、いらないところを大胆にカットすることを心がけたほうが良い。
TVでの番組宣伝がさまざまなバリエーションがあり、その意気に感動した。友情や信頼関係の描き方が間接的、遠まわし過ぎて、今の若い人にわかるかな、と思った。おのぶのナレーションはくどくなくて良かった。
自分を大切にするのが現代の価値観だが、今は忘れがちな他人をひたすら思うという事をテーマにしたのは、良い感覚だ。
35㎜フィルムのせいもあるが、山本周五郎の作品を良くここまで撮ったなあと感じた。TVは時が流れて行くことや人間が移ろって行くことを描くのが苦手だが、季節感や温度感などで巧く描いていた。2度ほど涙ぐんでしまうシーンがあった。いまメディア規制が盛んに言われているが、こうした質の高い作品を作りつづけて行くことが、そうした規制の動きをはねつける自主努力となるのだと思う。
タイトルがアルファベットとひらがなを併記した「SABUさぶ」で、その意図がわからなかったが、作品を見て、原作の時代を、現代の心に響かせ、そして未来につなぐという視点があったからだろうとわかった。その狙いは巧くいっている。無駄な空間、余裕の空間を置くことで番組は厚みを増すが、前半はこうした所がなく、せっぱつまった感じだった。
再放送を是非やってもらいたい。その際は深夜帯などで、CMなしでやるべきだ。そうしたことがメディア規制をはね返すことにつながる。
   
以上のようなご意見でした。
その他
6月の放送番組審議会は、6月19日(水)午後2時からの予定です。課題番組は、サッカーW杯試合中継を中心にスポーツ番組全般です。



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