◇ 番組『わっしょい!』についての合評
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ドキュメンタリーの手法を兼ね備えており、次の展開に期待を抱かせる作り方もうまく取り入れており、テレビの特性をいかした良い番組に仕上がっている。 |
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ドラマ性もストーリー性もあり、番組としてはおもしろい。しかし出てくる人達が根無し草のような生活をしており、果してこれを肯定的に捉えるのか。否定的と言わないまでも、こんな生活でいいのかという面を、もう少し見てる人に感じさせてもいいのでは。 |
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それぞれの親子の中で、特別なことがあったのかも知れないが、それは判らない。判らないが、番組としてはとにかく強制送還しても連れて帰って、会わせればいいんだと。その事はいい事をしているんだと決めてかかっているような印象を受ける。それでいいのかどうか気になる。 |
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若い人が東京でどんな生活をしているのかという、覗き見趣味的な面がありそれならそれで判るけれども、別の面から見ると、これがひとつの新しい若者のティピカルな願望なのか、というふうに考えると、我々が直視しなければならない啓蒙的なところがあるなと感じた。 |
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親元から月30万もの仕送りを受けているというケースがあったが自立ということから遠のいて、好き勝手に生きている部分が見えてしまう。ゲストの宇崎竜童が、母親から直さなければとコメントしていたが、まことに当を得た指摘だった。 |
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この番組のポイントは、どういう登場人物を選ぶかということと、コメンテーターに何を言わせるのかということだと思う。コメンテーターは制作者側の意思表示というか、サインを送る役割だと思うので、制作者側がキチンと整理して視聴者に伝えて欲しい。 |
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強制執行人は男女がいい。男女の方が掛け合い的にも旨く行くし、送還される人とのコミュニケーションも、家族との対話も生きて来る。家族が黙ってうつむいていると暗くなってしまう。 |
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若者論とか親子関係・家族関係を捉えて、そこから何かを考えようとする番組では無いようだ。そうで無いとすると、プライベートな肉親の部分に強引に入り込んで来るという、テレビのおごりが感じられ、後味が悪いという印象を持った。 |
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どうゆう目的でこの番組を作るのか、理念は何なのかということをテレビ局側ははっきりしないといけないと思う。家族は自分の子どもが10年も帰らなければ、会いたいという強い気持ちがあって、神に祈ったりする。テレビが宗教の役割までしていることになる。テレビの責任や役割は大きく、理念やモラルが問われる。 |
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若い人が将来何になりたくて、東京で蠢いているのか、いささかはっきりしないところが気になる。何かを蓄積していって、次の跳躍にしようといった感じの青年が見えてこない。
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