メ~テレ ドキュメンタリー

メ~テレ制作の本格派ドキュメンタリー

TOPIC
放送内容

メ~テレドキュメント
2012年5月31日(木) 午前10:51~11:45

赤い毒~毒ぶどう酒事件 再審の扉~

メインビジュアル
奥西死刑囚の手紙を読む菅家さん

1961年3月28日に起きた名張毒ぶどう酒事件で死刑が確定した奥西勝の再審請求に対し、最高裁から審議を差し戻された名古屋高裁の決定が今月25日に下される。

 この事件で問われ続けてきたのは、「自白」の信用性だ。
「極刑となることが予想される重大犯罪について、自ら進んで、あえてうその自白をするとは考えられない」
という考え方が司法を支配してきた。

 しかし、足利事件、布川事件は、「自白は証拠の王」という捜査、司法の常識に、現実を突き付けた。
番組は、争点の農薬の特定の謎と証拠開示の問題を独自に検証するとともに、冤罪の温床となる「自白の取り扱い」について考える。
嘘の自白をする可能性を、誰が否定できるのか。
事件から51年、今なお解決しきれないこの事件で、裁かれるのは奥西勝死刑囚なのか、それとも・・・

スタッフのつぶやき
報道局ニュース情報センター:安藤 則子

名張毒ぶどう酒事件の再審開始決定が5月25日に取り消されました。

当日の朝、私たちドキュメンタリーの取材班は奥西勝死刑囚の特別面会人の稲生昌三さんと名古屋高等裁判所に向かいました。稲生さんは、開始決定と同時に死刑囚の釈放を求める予定で、いつもより気持ちが高ぶった様子でした。裁判所前でバンザイするのが悲願でした。

私たちは、刑事訴訟法336条「疑わしきは被告人の利益に」に忠実ならば、1審判決の通り無罪になるのではないかと思っていました。番組を構成するにあたり、証言や証拠を並べてみると、なんら裏付けのない自白のみで死刑判決が維持されていることが明らかになるからです。しかし、再審の扉は開きませんでした。2006年に続き、今回、再審開始決定を取り消した裁判官の判断は、科学的には推測の域を出ないものです。果たして看過して良いものでしょうか。

これは、奥西死刑囚だけの問題ではなく、同じ司法の下のある私たちの身に降りかかる問題です。私たちメディアが注視しなければならない問題でもあります。