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放送内容

今から85年前、日本統治下の朝鮮半島で無声映画「アリラン」が公開された。 日本の支配に抵抗する民衆の姿を描いた映画で、その主題歌「アリラン」は日本への抵抗と朝鮮民衆の「恨」を象徴する歌として瞬く間に民衆の間に広まった。
今から70年ほど前、自分の意志にかかわらず、日本の統治をたたえる歌を歌った朝鮮の歌手や曲を作った作詞・作曲家がいた。 当時、一世を風靡していた彼らは、亡くなった今になって「親日派だった」として糾弾されている。
今から35年前、日本で初めて韓国人として本名で歌手デビューした人がいる。イ・ソンエさん。彼女の歌う「カスマプゲ」は日本に最初の「韓流」をもたらした。ハングル講座がテレビで始まったのも彼女の影響といわれている。
そして今。韓国の音楽、K-POPの嵐が日本歌謡界に吹きまくっている。人気グループの動向がテレビや新聞で逐一報じられる。そうかと思えば、韓国でも日本のアイドルが人気、来韓時にはソウルの金浦空港に大勢のファンが押しかける。
日本が朝鮮半島を併合したときから100年余りの時が流れた。様々な関係を経て、今日本と韓国の間には怒涛のような人と情報の行き来がある。人々=文化の交流が二つの国の関係と、そこに住む人たちにどんな影響を与えてきたのか。
番組では、文化の中で大衆歌謡が果たしてきた役割に注目し、名古屋で韓国歌謡史をまとめた在日2世、朴燦鎬さん(68)の活動や、日韓で人気のPOPミュージックを通して、日本と朝鮮半島の歴史とこれからを展望する。
洪蘭坡の歌碑「故郷の春」と 朴燦鎬さん
KAT-TUNファンの 韓国人女性たち
スタッフのつぶやき
このところのK-POP人気には目を見張るものがある。 オリコンチャートの上位半分ぐらいをK-POPアーティストが占めることもざらだ。
名古屋でも数多くのライブが開かれるが、ここ数年その雰囲気が少し変わってきた。 なんと言ってもお客さんの年齢層が広がった。 小学生のお子さんとそのお母さん、さらにそのお母さんまで一緒にステージを楽しんだりしているのだ。 しかもハングルを書いた手作りの応援グッズを手にしている。
『K-POPを好きになって何か変わった?』とインタビューすると、「毎日が楽しくなった」などという答えとともに、「目上の人を敬う韓国の文化に興味が出てきた」「日韓の歴史について学校で先生に聞くようになった」と答える人もいる。 中でも一番多いのが「ハングルの勉強をはじめた」という人。 アーティストが一生懸命日本語で話すのを見て、今度は彼らが母国語で歌うこと、話すことを理解したいと思うようになったというのだ。
言葉を知り、文化を知り、歴史を知り…「少しでもあなた近づきたい」と思う個人の気持ちが世の中を変えていくことも、私はあると思う。
7年前、在日2世の女性に話を聞いたことがある。 ヨン様ブーム花盛りのころだ。
当時80歳を超えていたその女性は「私たちの国の男性を日本人がかっこいいと思う時代が来るなんて」と語った。 まさに隔世の感。