メ~テレ ドキュメンタリー

メ~テレ制作の本格派ドキュメンタリー

TOPIC
放送内容

メ~テレドキュメント
2010年2月26日(金) 午前10時51分~11時45分

しえん(支援)ってなあに~カンボジアでみつけたもの~

メインビジュアル
子ども達とふれあう、梅村恵子さん

 愛知県名古屋市出身の梅村恵子さん。カンボジアで子どもたちの自立支援施設「BOC子どもセンター」を創立して4年目になります。恵子さんが預かる16名の子どもたちは、1970年から続いたポルポト派による内戦の影響で、親がいなかったり、病気や貧困が原因で施設に来た子どもたちです。

 BOCの資金集めのため恵子さんは、日本とカンボジアを行ったり来たりしています。きっかけは、恵子さんが母親と二人で、たまたまカンボジアに観光で訪れたことでした。日本での生活に息苦しさを感じていた恵子さんは、劣悪な環境の中でも優しく接してくれた子どもたちのために何かをやろうと、ボランティア活動がはじまったのです。

 毎日さまざまな問題が恵子さんには降りかかってきます。センターの子ども、テツの母親が行方不明となり、探しに出かける恵子さん。捜索の結果、テツは母親と会えましたが、母親は恵子さんに金の工面を頼みます。母親に怒りを覚える恵子さん。

 センターの長老ロックター先生は、子どもたちに教えている伝統音楽が仕事になればと、熱心に教えていましたが夢半ばで他界。その意思を継いで恵子さんは、子どもたちを励まし、ホテルのオーディションに臨みます。カンボジアで起こる様々な出来事や、子どもたちとの関わりの中で、「お金が無ければ何もできない」と、がむしゃらに突っ走ってきた恵子さんでしたが、次第に、母親、家族の大事さ、人との絆の大切さに気づいていきます。

  • 取材を受ける、梅村恵子さん

    取材を受ける、梅村恵子さん

スタッフのつぶやき
ディレクター・カメラ:恒川正次

「しえんってなあに?」

 私、カンボジアといえば「アンコールワット」と「地雷」くらいしか知識がありませんでした。それが、梅村恵子さんという女性を知り、現地の子どもの様子などを取材していく過程で、カンボジアという国のことが少しずつ見えてきました。

 中でもショッキングだったのは、12世紀末から13世紀初めにかけ、東南アジアで最大級の文明を誇ったにもかかわらず、1970年からの内戦は、過去の栄光や文化を簡単に崩壊させ、後に残るのは貧困や荒廃に苦しむ人々、特に女性や子供たちという事実を目の当たりにしたことでした。

 しかし、そんな中でも子どもたちは、むちゃくちゃ明るいのです。よくカンボジアの子どもの「瞳がキラキラ光ってる」とかいうフレーズを聞きますが、私実感しました。そして、カンボジアに在住して現地の支援をしている日本人女性の多さに、またびっくりです。彼女たちは、日本とはまったく違う時間の流れのせいもあるかもしれませんが、国際支援という大きなテーマを背負っているようには、まったく見えず、いたって自然体で、みなさんステキな方でした。そんな姿が国際支援という言葉を身近にさせてくれているような気がしました。