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放送内容

「ドス・キゼオス」は名古屋を中心に音楽活動をしているキューバンバンド。その中心となっているのが尾関真(55歳)と須藤祐樹(52歳)の2人の中年オヤジだ。名古屋市内のライブハウスにはファンがつめかけ、和やかな雰囲気の中キューバ音楽を楽しんでいる。
そんな彼らのもとにキューバの音楽祭から招待状が届いた。音楽祭の名前は『ソン・フェスティバル』。サンチアゴ・デ・クーバで行われる格式高い音楽祭。キューバ最高の音楽祭のステージに招待された尾関、須藤率いる「ドス・キゼオス」。さあ、大変・・・!楽曲はどうしよう・・・?
尾関真(55)は学生時代から音楽に没頭し、「憂歌団」にも楽曲を提供しているピカイチの実力。家庭では2人の孫がいるおじいちゃん。会社に勤めながら音楽活動を続けてきた。須藤祐樹(52)は、高校時代からブルースにはまり1996年尾関とバンドを結成した。これまで様々な職業を経験、大病を患ったことも。今はトラックの運転手だが昨年離婚。そしてこの2人の生き方にあこがれて「ドス・キゼオス」の仲間になった総勢9人のバンドメンバー。みんな夫々ユニークだ。顔ぶれは医師、質屋店員、楽器店経営者ど様々。年齢も20代から50代までと幅広い。
キューバで演奏する曲目は日本の唱歌「さくら」。練習になかなか時間が取れなかった「ドス・キゼオス」が、いよいよ3月、キューバに乗り込んだ。日本語の歌詞にのせて演奏されるキューバ音楽は、この音楽祭始まって以来初めてのこと。本場キューバでかれらの音楽が受け入れられるのだろうか・・・ 音楽の楽しさを多くの人と分かち合いたいという2人の一途な思い。夢を忘れずに生きることの厳しさと楽しさ。この番組はそんな心温まるメッセージを込めて送るドキュメンタリーです。
ナレーター:木村充揮(元「憂歌団」リードボーカル)
キューバで演奏するドス・キゼオス
スタッフのつぶやき
ディレクター:柵木志(名古屋テレビ映像)
昨年の11月、名古屋でイイ年のおっさんがキューバ音楽をやっとるという話を聞いた。月に何回か市内のバーでライブをやっているという。
バンドの名前はドス・キゼオス。須藤さんと尾関さんという50過ぎのおっさんが2人で始めたバンドだ。早速ライブを聞きに行く。これが、また素晴らしかった。
小さなバーで鳴り響く音楽は全て電気を通さない生音なのだが、素晴らしくバランスの取れた状態で耳に入ってくる。どこで演奏しようがベストの状態で音楽を奏でることができる、それがキューバ音楽の真髄だったのだ。
更にそれにもまして2人のキャラクターがたまらない。名古屋弁丸出しもいい味になっているし、生き方にも光り輝くものがある。「どうせ一回きりの人生だから楽しまなくちゃソン」というわけだ。普段はトラック運転手やマスクの製造に汗を流すどこにでもいそうなオヤジだが、その人生は一筋縄ではいかない。離婚、大病、死別など苦しみを抱えながらの日々の生活。でもそんなことなど微塵も感じさせない底抜けの明るさがあり、人を幸せにする光を与えてくれる。彼らは未だに青春の真っ只中で人生を謳歌しているのだ。そこに他のオヤジとは違うパワーがある。
そんな2人がキューバの音楽祭に招待された・・・。彼らの旅は想像を超えた素晴らしさに満ち溢れたものとなった。是非オヤジの泣き崩れる様を見ていただきたい。同世代ならずとも力を分けてもらえるはずだ。