TOPIC
放送内容

「人災なんだよ」
三重県多度町の「三重県ゴミ固形燃料発電所」で起きた爆発事故の遺族は、今もこう話している。この事故は、2003年8月に起き消防士2人が死亡した。
RDF=ゴミ固形燃料とはゴミを燃料に変えるという夢の技術だったはずだ。その夢の技術が、なぜこんな悲劇を招いてしまったのか?
名古屋テレビでは、三重支局(当時)を中心に、この点をテーマに事故後も取材を続けた。その結果、冒頭の遺族の言葉どおり、事故をもたらしたものは、安全性を置き去りにし効率を優先させた三重県の姿勢ではないか、との確証に近づいた。
「本格派のドキュメンタリー」
番組では、海外取材を含めた、豊富な実証データを積み上げ、事故の原因やその責任に迫る。その一方で、事故発生から半年以上にわたり、死亡した消防士の父親・川島浩さんに寄り添い、悲しみ、怒り、そして新しい出発など、その真情の変化をきめ細かく描いていく。見ごたえある本格派の報道ドキュメンタリーとして、さまざまなものを感じ取っていただけるのではないかと思う。
取材 柴田正登志 構成 平岩 潤 制作統括 浅井賢二
撮影 水野 孝 音声 春日井徹 編集 兼清 修
爆発・炎上したRDF貯蔵タンク
爆発前 消火作業を行う消防隊員
スタッフのつぶやき
ディレクター:柴田正登志
放送にあたり、深い悲しみと怒りが交錯する不安定な状態の中で取材に応じ、協力していただいた遺族の方々に感謝を申し上げます。
思い起こせば去年2003年は爆発事故の多い年でした。石油タンク、名古屋大曽根の立てこもり爆発、そしてこのRDF発電所…。
中でもこのRDF発電所の爆発事故ほど不可解なものはなかったと思います。
事故発生から7ヵ月、取材したテープは327本にも上ります。
「夢のリサイクル」と言われた発電所が音を立てて崩れた時、置き去りにされていた大切なものが見えてきました。
カメラマン:水野孝
RDF発電所のタンクが2度目の爆発をした日、私は現場で取材をしていたカメラマンの一人でした。その日行われていた三重県企業庁の会見。カメラのファインダー越しに、企業庁と富士電機、消防の3者の責任の擦り付け合いを目の当たりにしました。なぜこんな事が起こってしまったのか。亡くなられた方とその遺族の怒りは一体どこにぶつければいいのか。カメラの前で夢の発電所の真実の姿が明らかになりました。番組を制作するにあたりご遺族の方のご協力に感謝すると共に、亡くなられた消防士の方のご冥福をお祈り申し上げます。