2005年4月12日 25時33分~26時28分放送
 
ウリナラ 内なる祖国 
~愛知朝鮮中高級学校寄宿舎の1年~
 
スタッフのつぶやき
 
ディレクター 岩本真紀
 日本を席巻中の韓流についてある在日コリアン家族に聞いた。4歳で日本に渡ってきた1世は「日本人が朝鮮人をカッコいいという時代が来るなんて隔世の感」。2世の娘は「子供の幼稚園で自分が在日であると簡単に言えるようになった。」と言った。
  在日コリアンが集まるスポーツ交流会、名古屋グランパスに移籍したばかりの北朝鮮代表・安英学選手が出席していた。そこに登場した来賓の日本人の言葉。「先日のW杯日本対北朝鮮。北朝鮮代表の在日選手二人の姿に感動した。まるで日本人かと思う位マナーも良くて…」。
  韓流やW杯、そして拉致問題。目まぐるしく変わる日本と朝鮮半島の関係。そのたびに翻弄されているであろう、在日コリアンの子供たちの心を知りたいと、去年の春、愛知県豊明市にある朝鮮高級学校(愛知朝鮮高校)の取材を始めた。
  翻弄?とんでもない。彼らは勝手な私の思い込みをすっかり覆してくれた。「日本に住んでいる朝鮮民族の自分には居場所がないのか?」「朝鮮人でも韓国人でもない、ここに生まれここで死んでいく自分がやるべきことは何か?」それぞれに考え悩みながらも、めちゃくちゃ元気に高校生活を謳歌していた。代々受け継いできた朝鮮半島の伝統を学びながら、日本の風習も韓国の文化も身に着けている。子供といってもおかしくない年頃の学生たちが人生と正面から向き合うことを教えてくれた。分かっているつもりでいても「民族教育」や「在日」に対して知らないことが多かった。
  知らないことが差別や偏見や恐怖を生む。この番組が在日や朝鮮半島のことに少しでも興味を持つきっかけになればと思う。
 
 
放送内容について