映画監督小栗康平が9年ぶりに映画を撮った。ロケ地は三重県鈴鹿市のNTT研修センター跡地、昨年、ひと夏住みついて5本目の長編「埋もれ木」に挑んだ。小栗監督自身、自分の映画は従来の撮影所や興行のシステムの中では成立しないと考えている。既存のシステムに乗せるとさまざまな制約に妨げられ、真に世に問う作品が出来てこないというわけだ。今回、小栗監督は撮影現場以上にその外での闘いに力を注いだ。資金集めや、劇場の確保、宣伝やパブリシティなどに奔走、すべて自分と少数のスタッフで行った。
映画「埋もれ木」は、山に近い小さな町が舞台で、女子高校生を主人公にしたファンタジックなストーリー。カンヌ国際映画祭の監督週間部門に招待・公式上映され高い評価を受けた。小栗監督にとって1990年「死の棘」で審査員特別大賞を受賞して以来15年ぶりのカンヌとなった。
「埋もれ木」に密着。映画監督が、創作面だけでなく創作面での可能性を確保するためどう苦闘しているか、とりまく日本映画産業の現状、さらに小栗監督が目論見のひとつに入れている「地元=鈴鹿との連携」がどう実ってゆくかを描く。
※名古屋での公開は 7月16日(土)から 名演小劇場
※鈴鹿での公開は 7月16日(土)から イオンワンダーシネマ鈴鹿
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