2013年4月7日(日) 午前6:00~6:30放送
 
「てんでんこのうた ~大津波から命を守れ~」
 
津波から逃げる訓練をする子どもたち
 

三重県尾鷲市立宮之上小学校の1年生の担任・中村佳栄先生とクラスの子どもたちが歌を作った。
大地震、大津波の時にどうすれば命を守れるのかを考えて作ったうた「てんでんこ」だ。
紀伊半島の南部、リアス式海岸にある尾鷲市は、これまで何度も南海トラフを震源とする大地震の大津波で大きな被害を被ってきた。想定される南海トラフ巨大地震では、高さ17mの大津波が、地震発生から10分前後で到達すると言う。

「てんでんこ」(つなみてんでんこ)とは「津波がきたらてんでばらばらに逃げよ」という東日本大震災の被災地・東北に伝わる先人からの教えだ。
岩手県釜石市ではこの教えを守り、大震災時に学校にいた小中学生全員が助かった。この「釜石の奇跡」は、群馬大学の片田敏孝教授が釜石市で8年かけて行った防災教育の賜物だ。尾鷲市は、去年、片田教授をアドバイザーに招き防災教育を始めた。中村先生は、尾鷲市を訪れた片田教授に啓発され、「てんでんこ」のうたを作ったのだ。「尾鷲の奇跡」を起こせないか、子どもたち、そしてその保護者の命を救えないかと考えて。歌詞は、子どもたちと話し合い、また自ら釜石市に赴き現地を見て考えた。
しかし宮之上小学校だけが頑張ってもダメだ。「尾鷲市全体に、この教えを広めなければ」、中村先生と子どもたちは、近くの保育園に出向いて歌ったり、市民イベントで紹介したりと活動を始めた。その活動に密着した。「尾鷲の奇跡!」を目指して。

「てんでんこのうた」
1番
♪ じしんが きたら あたまをまもれ
そのまま じっとだんごむし
ゆれがとまったら いそいでにげろ
ガラスとかべに きをつけて
てんでんこ てんでんこ てんでんこ

2番
♪ つなみがくるから いそいでにげろ
とおくじゃなくって たかいばしょ
ここならへいきと おもっちゃだめ
もっと もおっと たかいばしょ
てんでんこ てんでんこ てんでんこ

3番
♪ 100かいにげても からぶりばかり
それでも こんどもにげるんだ
じぶんのいのちは じぶんでまもる
つなみなんかに まけないぞ

おとなになっても わすれない
みんなのえがおが たからもの

てんでんこ てんでんこ てんでんこ

 
 
「てんでんこのうた」の練習 中村先生と1年の子どもたち
 
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