- 182回 -

2023年5月26日(金) あさ4時00分~4時55分

しゃにむに ~女と男と仕事~


戦中・戦後の民間企業で働き続けた貝谷アキ子さんの膨大な手記などをもとに昭和の時代に企業で女性労働者がどのような扱いを受けていたかを描く。
貝谷アキ子さんは1926(大正15)年の名古屋生まれ。独身を貫き、仕事一筋に生きてきた。戦争中は挺身隊として動員され、戦後は倉庫会社に40年間勤務。当時の女性としては異例の管理職に抜擢され、経理部次長まで昇進した。
姪の京子さん(61)はアキ子さんを「生き方の手本」と捉え、敬愛している。京子さんは、アキ子さんの人生を手記にまとめようと動いてきた。
戦争から始まるアキ子さんのキャリアは、「女性が働く環境」の変遷を象徴している。戦争中、労働力不足で女性の勤労動員が強化され、アキ子さんも軍需工場に勤務していた。
しかし、戦争が終わるとすぐに解雇。アキ子さんは幼い兄弟を養うため、倉庫会社に再就職するが、給料は男性社員の半分程度だった。
戦中、戦後を働き続けた女性元会社員の実体験から、日本の女性が「雇用の調整弁」として扱われてきた歴史を紐解く。