池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ

池上彰が徹底解説! メ~テレ取材陣が徹底取材!
2012年8月28日(火) 午後7時~7時54分

池上 彰

池上 彰・石原 良純・井戸田 潤・山田 まりや・いとう まい子・星 恭博・深津 麻弓

監修:福和 伸夫 教授(名古屋大学 減災連携研究センター)

東海地方を襲うとされている大地震・津波。東海地震、東南海地震、南海地震の3連動地震だけでなく、1000年に1度というM9クラスの「南海トラフ巨大地震」の発生も懸念されています。震度7の激しい揺れ、20mを越える大津波から命を守るためにはどうすればいいのか?ジャーナリストの池上彰さんが、基礎知識からわかりやすく解説します。また、今や震災と切っても切れないエネルギー問題。今後、エネルギー需給をどうすればいいのかについても考えます。

「命を守る」4つのキーワード

1.地震の巣

東海地方の前、太平洋の海底にある「南海トラフ」。これまで、ここを震源に東海地震、東南海地震、南海地震、その3連動地震が、100年~150年の間隔で発生していて、南海トラフは「地震の巣」と言われています。2011年3月の東日本大震災の発生を受け国が改めて調査・検討したところ、ここを震源に、マグニチュード9、最大震度7、20m級の大津波(東海地方)の巨大地震・「南海トラフ巨大地震」が発生する可能性があることがわかりました。ところで「南海トラフ」「マグニチュード」「震度」って、きちんと説明できますか?そんな素朴な疑問・基礎知識から、池上彰さんがスタジオで実験を行いながら、わかりやすく解説します。

2.濃尾平野

濃尾平野を大地震が襲うと、その揺れが増幅され、さらに揺れが10分以上も続くという試算があります。想定される南海トラフ巨大地震では、耐震対策を行っていない建物が大被害を受ける「震度7」の揺れに加え、「長周期地震動」により高層建築物がゆらゆら揺れる現象が起きます。場所によって一般住宅は「液状化現象」で傾く恐れも。巨大地震が発生した場合、濃尾平野にどんな被害が出るのかを検証し、その対策を考えます。

3.巨大津波とエネルギー問題

想定南海トラフ巨大地震では、愛知県の渥美半島と三重県南部を20m級の大津波が襲うとされています。東日本大震災以来、震災問題とは切っても切れないのが「エネルギー問題」です。気になる中部電力浜岡原子力発電所の耐震対策・津波対策の現状を星アナウンサーが直撃取材。建設中の標高18mの防波壁、非常用予備電源の設置場所を取材しました。また、注目の再生可能エネルギーだけで電力を賄えるのか?「環境首都」と呼ばれる、ドイツ・南西部の町を深津アナウンサーが徹底取材し、再生可能エネルギーの可能性と課題を考えます。

4.てんでんこ 尾鷲の奇跡

巨大地震の発生から10分前後で20m級の大津波が襲うとされる三重県南部の街・尾鷲市。いま、ここで「てんでんこ」という言葉をキーワードに、子どもたちを津波から守る教育が行われています。「てんでんこ」とは東北地方の言葉。「つなみてんでんこ」=「津波が来たらてんでバラバラに逃げよ」という言い伝えです。事実、この言い伝えをもとに「防災教育」を行ってきた岩手県釜石市では、在校中の小中学生が100%津波から助かり「釜石の奇跡」と言われています。「尾鷲の奇跡」を起こせ!南海トラフ巨大地震を控え、尾鷲で行われている防災教育に密着しました。「尾鷲の奇跡」だけでなく、それを「三重の奇跡」「愛知の奇跡」にするために。