池上彰が徹底解説! メ~テレ取材陣が徹底取材!
2013年 5月28日(火) 午後7時~7時54分
池上 彰
石原 良純・いとう まい子・渡瀬 マキ・井戸田 潤・星 恭博・深津 麻弓(メ~テレアナウンサー)
監修:福和伸夫 教授(名古屋大学 減災連携研究センター)/川崎浩司 准教授(名古屋大学 大学院工学研究科社会基盤工学専攻)
2012年8月28日にOAした防災特番の第2弾。南海トラフを震源とする巨大地震・大津波、そして活断層による都市・直下型地震に向けてジャーナリストの池上彰さんが、東海地方の住民に「事前の備え」「その時の行動」を紹介する。今回のテーマは、「津波と活断層の基礎知識」と「その対策」。
池上さんは、メ~テレの防災特番に出演するにあたり、「それぞれの地域で、ピンポイントで、それぞれの地名を出して、身近な所が大変なんだ!と伝えることが大切」と、地元発の防災番組の重要性を話している。
東日本大震災では、大津波の恐ろしさをまざまざと見せつけられた。三陸沿岸を10mを越える大津波が襲い街を飲み込んだ。想定南海トラフ巨大地震では、三重県南部と愛知県外海の沿岸に10m~20mの大津波が押し寄せるとされている。そして伊勢湾奥部の名古屋にも5mの大津波が想定されている。二桁の高さの津波を何度も聞いた私たちは、「5m」と聞くと「あまり高く無いのでは?」と思いがちだが、津波は「50cm」の高さでもとても危険なものだ。「津波の本当の怖さ」を、スタジオでの実験や、東日本大震災の被災地での取材で、わかりやすく紹介する。
南海トラフ巨大地震の想定震源域をよく見ると名古屋の下まできていて、都市部を極めて激しい揺れが襲うことがわかる。つまり南海トラフ巨大地震は、「東日本大震災並みの大津波」と、「阪神・淡路大震災に匹敵する激しい揺れ」を伴う、大規模災害なのだ。また、最近の研究で名古屋市内に2つの活断層の存在が指摘されている。では、そもそも地震を起こす「活断層」とは、どんなものなのか?また、活断層はどこにあるのか?地震についての基礎の基礎、「活断層とは何なのか」を学び、地震による「揺れ」の恐ろしさを確認する。
東海地方には、過去の地震災害、津波災害の歴史を今に伝えるさまざまな「証」や「言い伝え」が残されている。それらを次の世代に伝えることや、研究して過去の災害の姿を知ることは、次の災害に備える上で、とても重要なことである。三重県鳥羽市には、かつて神島の沖合いにあったとされる「小さな島」の伝説がある。「鯛島伝説」は、小島が自然災害で海の底に沈んだというものだ。どんな島だったのか?取材班は、水中撮影に挑み、「伝説の島」を探した。
大地震への備えは「家の耐震補強」「家具の耐震固定」だ。特に「家具の固定」は、誰でも手軽にできる有効な対策だ。しかし面倒なのか、家具や什器をきちんと固定している家庭や企業の事務所は少ない。ちょっとした手間で、地震の揺れから命を守ることができる家具の耐震固定。その効果をスタジオで実験して明らかにする。
第1弾で紹介した三重県尾鷲市の小学校での「てんでんこのうた」は、2番3番が完成し、広がりをみせている。「てんでんこ」とは「津波がきたらてんでばらばらに逃げよ」という、東日本大震災の被災地に伝わる先人からの教えだ。岩手県釜石市では、この教えを守り、震災時に学校にいた小中学生全員が助かった。尾鷲市立宮之上小学校の中村先生と1年生の児童は、大地震の時、命を失う人を減らそうと、その教えを元に歌を作ったのだ。もっと伝えなければならないものがあるのでは、中村先生は被災地へと向かった。子どもへの防災教育の大切さを考える。