池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ ~伊勢湾台風の記憶と教訓~

2019年9月1日午後3時20分~4時30分

池上彰が徹底解説!メ~テレ取材陣が徹底取材!

出 演池上彰 竹下景子 浅尾美和 井戸田潤 鈴木しおり

東日本大震災以降、ジャーナリスト・池上彰さんとメ~テレ災害取材班が毎年制作している
特別番組の第8弾。
今年は、1959年にこの地方を襲い、大きな被害をもらした伊勢湾台風から60年です。
番組では池上彰さんが伊勢湾台風のつめあとをたどり、この地方に与えた影響と教訓について考えます。
台風のほかにも、大雨情報の「レベル化」や南海トラフ地震の「臨時情報」についても取り上げます。
災害はいつ私たちを襲うか分かりません。「防災の日」に「命を守るために必要なこと」について、
考えていただけたらと思います。

  • 場面写1
  • 場面写2
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「考える」ためのキーワード

1.伊勢湾台風から60年 東海地方のつめ跡
場面写1 小型船に乗る池上彰 場面写2 海抜0メートル地帯

1959年にこの地方を襲った伊勢湾台風から今年で60年。ジャーナリスト・池上彰は、名古屋港から小型船に乗って、そのつめ跡をたどりました。伊勢湾台風を契機に、名古屋港には高潮防潮堤が整備されました。伊勢湾台風では高潮の被害が大きく、名古屋港の貯木場から大量の材木が市街地へと流れ込みました。船で新川を上った池上彰は、川沿いの住宅街が海抜0メートル地帯に広がっていることに気が付きます。名古屋市港区は全域が浸水被害にあいました。新川沿いにある中川区下之一色町は、かつては漁師町として栄え、魚市場は多くの人でにぎわっていました。しかし、伊勢湾台風後に高潮防潮堤が建設されたのを機に下之一色の漁師は漁業権を手放すことになりました。名古屋の防災の強化と引き換えに、下之一色は漁師町としての歴史に幕を閉じたのでした。

2.実験!台風はどのようにできるのか?
場面写3 スタジオに台風発生!? 場面写4 台風の発生装置を作りスタジオで実験

台風の発生の仕組みを知ろうと今回の番組では、台風の発生装置を作りスタジオで実験しました。台風発生装置は、大きな盥(たらい)の中心に熱源を置き、周囲にドライアイスを置いて、ターンテーブルで盥をゆっくりと回すしくみです。
ドライアイスの煙が雲です。中心の熱源は、海面水温が上がって発生した上昇気流です。
ターンテーブルは地球の自転で、この回転によって台風の渦ができます。
「台風発生装置」を作るのに番組スタッフもかなり苦労しました。身近なものでできるので、みなさんもチャレンジしてみてください。

3.「手作りハザードマップ」で安全な避難を
場面写5 手作りハザードマップ 場面写6 地域に潜む災害リスク

大雨などの際にどれだけ危険が差し迫っているのかを示そうと国は今年から5段階の「警戒レベル」を導入しました。東海地方には、災害時に安全に避難ができるようにと、独自のハザードマップを作っている地域があります。
名古屋市守山区の瀬古学区は内水氾濫の危険があるため、住民が自分たちで、地域の危険個所を示した「手作りハザードマップ」を作っています。「手作りハザードマップ」には、マンホールの場所や、蓋のない側溝など、身近な危険場所が示されています。
この「手作りハザードマップ」は愛知県が2011年度から始めているプロジェクトでこれまでに約130地区で作られています。

4.「防災食」を作ってみよう
場面写7 災害救助用炊飯袋 場面写8 被災時のお手軽調理

災害時に命を守るために、日ごろから災害時の食事を体験しておくことも重要です。
日本赤十字社は炊き出しの一つの方法として、「災害救助用炊飯袋」を使用しています。この炊飯袋は、熱に強い素材(高密度ポリエチレン)でできているため、中に食材を入れて煮ることができ、ちょうど1人分の量が入ります。ご飯を炊く際は、米と水を入れる線が書いてあるので便利です。野菜や肉などを一緒に入れて、炊き込みご飯を作ることもできます。
伊勢湾台風の際に、不衛生な環境で食料の提供が行われ、食中毒が発生しました。この「災害救助用炊飯袋」は伊勢湾台風をきっかけに日本赤十字社が企業とともに開発をしたものです。 日本赤十字社静岡県支部では、「包装食袋(炊飯袋)」を使った
炊き出しレシピ集「炊き出し名人」をホームページで紹介しています。

http://www.shizuoka.jrc.or.jp/recipe/