池上彰が徹底解説!メ~テレ取材陣が徹底取材!
出 演池上彰 竹下景子 井戸田潤 浅尾美和 石神愛子(メ~テレアナウンサー)
東日本大震災以降、ジャーナリスト・池上彰さんと
メ~テレ災害取材班が毎年制作している、防災・減災特別番組の第9弾!
今年は、2000年にこの地方を襲った「東海豪雨」から20年という節目の年です。番組では池上彰さんが被災した地域を取材し、当時の状況を振り返ります。各地を取材すると、今年7月に九州や岐阜など各地に被害をもたらした豪雨といくつかの共通点があることが分かりました。
スタジオでは、7月の豪雨の時にもよく耳にした「線状降水帯」や「バックウォーター現象」について、模型を使って分かりやすく解説します。
また、新型コロナウイルスが収束しないなか大雨の被害が出た岐阜県下呂市では、避難時の課題が浮き彫りになりました。いったい、どのような課題が浮上したのでしょうか。
そのほか、「南海トラフ地震に関する臨時情報」についてのこの地方の対応や、車に避難することになった場合の注意点などについて、解説します。
「考える」ためのキーワード
1.東海豪雨から20年
「ミレニアムの年」と言われた2000年に東海地方を襲った「東海豪雨」から今年で20年が経ちました。ジャーナリスト・池上彰は、名古屋市内で浸水した場所を取材しました。名古屋駅前や、新川の決壊現場周辺は、広い範囲にわたって浸水し、都市型水害の恐ろしさを改めて知らされました。
国内ではこのところ毎年のように大きな水害が起きています。水害のキーワードとなる「線状降水帯」「バックウォーター現象」「ボトルネック」などは、20年前の東海豪雨でも起きていたことが分かりました。池上彰は、岐阜県の飛騨地方を襲った豪雨の現場を上空から、飛騨川と支流の白川で起きた「バックウォーター現象」のメカニズムを取材しました。
2.新型コロナウイルス 変わる避難のありかた
新型コロナウイルスの流行により、災害時の避難の在り方について、各自治体は対応を迫られる事態となりました。岐阜県の飛騨地方を襲った豪雨の際には、岐阜県下呂市で避難指示が出され、多くの住民が避難所へ避難しました。しかし、新型コロナへの対応から、避難所の収容人数を通常よりも少なくしていたため、下呂市では、一部の住民に別の避難所へと移ってもらうという対応を取りました。大きなトラブルはありませんでしたが、下呂市の担当者は「コロナ禍の避難に課題が浮き彫りになった」と話しています。同様のことは私たちの住む場所でも起きる可能性があります。コロナ禍では避難所だけではなく、自宅にとどまることや、親戚の家などを避難先をすることも選択肢です。
3.南海トラフ地震の臨時情報
今後30年で70~80パーセントの確率で起きるといわれる「南海トラフ地震」は東海地方に住む私たちにとって最も警戒しなければいけない災害です。
南海トラフ地震の臨時情報が発表されると、津波からの避難が間に合わない地域の住民を対象に1週間の事前避難が求められることになっています。事前避難の対象地域は津波の被害が想定される場所だけではありません。東海3県では、海抜0メートル地帯がある自治体についても、事前避難を行うべきかどうか、各自治体が検討しています。地震が来ていない段階で1週間の避難をどのように行うのか、課題が多くあります。
沿岸部や海抜0メートル地帯に住む人だけではなく、私たち全員が、臨時情報についての理解を深め、いざというときに慌てないように準備しておくことが重要です。
4.「車中泊」いざという時に車への避難も選択肢に
災害時に車に避難することは、エコノミー症候群の恐れもあり、専門家は「積極的には勧められない」と話します。一方で、新型コロナの流行により避難所で人数制限が行われる可能性もあることから「災害時の避難の選択肢として、車中泊も準備しておいた方がいい」と指摘します。
車中泊の主なポイントは、「体を水平に保つことと」と「プライベートの空間を作ること」です。体を水平に保つには、車のシートをなるべくフラットにして、衣類やタオルを使って車内の凸凹をなくします。プライベートの空間を作るには、窓をふさいで外から見えないようにします。
車中泊を考える際には、車で何人が寝られるか、災害時に家族の誰が寝るのかなど、事前に考えておくことが必要です。