五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。
2024/03/31
地震の被災地でペットボトルの飲料水を、お風呂やトイレで使うことは中々出来ません。「トイレが使えない」「お風呂に入れない」の大きな原因の一つに挙げられるのが「中水」問題です。
私たちが暮らしで使う水には、「上水」「中水」「下水」があります。
上水、下水は普段の「上水道」「下水道」で馴染みがありますが、「中水」はあまり聞かない言葉です。「上水」は飲用可能な水です。
ペットボトルの水、給水車の水で、とりあえずは何とかなります。
「中水」は、飲用には適しませんが人体に影響ない形で利用する水です。
ホテルやショッピングセンターで蛇口に「この水は飲用には適しません」と書かれていることがあります。
これが「中水」です。「雨水」や「生活排水を処理した水」で、掃除や水洗トイレ、草木への散水に使います。
家庭では、普段、上水道の水を水洗トイレやお風呂に使っていますが、被災時、ペットボトルや給水車の水を水洗トイレで使うのはあまりにももったいないです。
このため「中水」の需要が出てきます。災害時、「中水」があれば水洗トイレが使え、お風呂に入れます。
能登半島地震の被災地では「井戸水を使う」「雨水を貯めて使う」「川の水をくんで使う」「湧き水をくんで使う」などで、「中水」を確保している家庭がありました。
中水対策は、「井戸」「雨水の貯水槽」などが考えられます。井戸掘りの費用は、個人で負担するには厳しい額です。そこで避難所になる学校、集会所、町内会事務所、公園など公的な施設に、公的なお金で井戸を掘るのがよいです。
いつ大災害が発生するかはわかりませんので、設備を作って放置しておくと、いざという時に使えないこともあります。
そこで「中水の設備」を作ったら、普段から洗車や花への水やりなどで使う必要があります。
防災用品・設備は「普段使い」するのが基本です。
そこで、井戸を掘ったらその水を、普段から地域のみんなで洗車や水まきで使えばよいわけです。
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。