五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。
2024/04/07
4月3日に台湾の東部・花蓮沖を震源とする大きな地震がありました。今回は地震の規模(大きさ)についてまとめます。
地震の規模(大きさ)は、地震で放出されたエネルギー量=マグニチュード(M)で示します。
2024年1月1日16時10分に能登半島地震が発生、気象庁がM7.6と解析し、テレビなど各メディアは速報で伝えました。
「M7.6」の速報スーパーを見てみなさんはどう思ったでしょうか?
「大地震が起きた!」と、ピンときた方は地震についてかなり詳しい方です。
能登半島地震はM7.6、想定される首都直下地震はM7.3です。
Mが1増えると、エネルギー量は約32倍に、Mが2増えると32×32=約1000倍になります(対数計算)。
能登半島地震は首都直下地震よりMが0.3大きいので「3倍の規模の地震」となります。
ちなみに1995年1月17日の阪神・淡路大震災はM7.3、2016年4月16日の熊本地震(本震)も同じM7.3でした。
つまり能登半島地震は、あの大被害を起こした阪神・淡路大震災や熊本地震の3倍でもあります。
能登半島地震は、発生場所が人口密度が低い地域だったので、死者数は245人(2024年4月2日時点)でしたが、もっと多かった可能性があります。
ちなみに、人口密集地で起きると想定される首都直下地震の死者数は最大2万3000人、阪神淡路大震災の死者数は6343人です。
Mが7.6、また震源の深さが約16キロと比較的浅いこともあり震度7となりました。
このように「マグニチュードとは何か」を理解すると、能登半島地震の真の姿が見えてきます。
「能登半島大地震」と言っていいレベルの地震でした。
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。