五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。
2024/07/21
地震が起きると、気象庁は「震度」を発表します。 その数字から被害状況をある程度、推測できます。震度5弱以上は要警戒です。
震度は、その地点(観測点)の地震の「揺れの強さ」を示します。 3、4、5などの数字で伝えられるため、 同じような数字で伝えられるマグニチュードと混同する人も多いかと思います。
以前も伝えましたがマグニチュードは、 その地震を起こしたエネルギー量です。 ですので「1つの地震には1つのマグニチュード」。 震度は各地の揺れなので、「1つの地震にいくつもの(各地の)震度」があります。
震度は、以前は気象庁職員の体感および周囲の状況から決めていました。
しかしバラツキがあり即時性に欠けるため、1996年4月から「地震計(震度計)」による自動観測で発表されています。
震度階級は0から7まであり、震度7が最大の10段階です。また、震度は7までで、震度8、震度9はありません。
「震度5弱」と「震度5強」、「震度6弱」と「震度6強」は、それぞれまったく別物です。「弱」→「強」と延長線上に見えますが、そうではありません。
なぜ震度5、震度に「弱」「強」があるのでしょうか?
1996年3月までは、震度5、震度6でした。しかし三陸はるか沖地震(1994年)、阪神・淡路大震災(1995年)で、現地で被害調査を行ったところ、同じ震度5や6のところでも、被害の程度に幅があることが分かりました。また阪神・淡路大震災を契機に、全国に震度計が増設されました。
これにより、全国レベルで同じ条件、同じ基準で震度を測ることができるようになりました。
これに合わせて震度5、震度6を2つに分け、「震度5弱」「5強」と「震度6弱」「6強」が定められ、発表されるようになりました。
震度速報で「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」だった場合、その地点に大きな被害が出ている可能性があります。
また、震度の基準は国ごとに違い、日本の地震の震度と海外の地震の震度を単純比較できません。
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。