五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。
2024/09/29
なぜ晴れたり、曇ったり、雨が降ったり、台風が来たりするのでしょうか?春夏秋冬の姿、移ろいが同じだった年はありません。よく考えると理由がわかりません。その理由は…最初に答えを書きます。天気が変わる理由は「地球が丸くてデコボコだから」です。
地球は太陽から出た太陽光線(エネルギー)で温められています。地球は丸い(球体)ので、太陽光線の当たり方=日差しが場所によって違い、地面の温まり方も違います。
例えば赤道と極(北極・南極)を比べると、赤道は多くの日差しを受けるので、地面が受ける太陽エネルギー量が大きくなり気温も高くなります。
一方、極は受けるエネルギーが少なく赤道より相対的に気温が低くなります。このため「赤道」と「極」に温度差ができ、その上にある空気にも温度差ができます。
このような現象が、地球のあちこちで起きています。
温度差があるとそれを解消するために「対流」が発生します。温度の高い方から低い方、低い方から高い方に流れができます。「地震を引き起こす力」の回で紹介した、あのお鍋の中の動きです。
温度差を無くすために「温かい空気は温度が低い場所」に、「温度が低い場所の冷たい空気は温かい場所」に向かって移動します。これが大気の移動=「気流」=「風」です。
海も同じで、場所によって海水に温度差ができ、その温度差を解消するために「海流」が起きます。
この「大気」と「海水」の流れが、天気が変わる「原動力」になります。
風(移動する空気)は移動しながら温かい地面や海水で温められ、また水蒸気をもらいます。この水蒸気を含んだ「湿った空気が」集まると「雲」になり、雲の中には「雨粒」ができて、下へ落ちていきます。これが「雨」です。
地球の表面は、海、陸、山があってデコボコです。このため風はスムーズに真っ直ぐに進むことができません(コリオリの力という力も加わって曲がります)。風は真っ直ぐ進まず、曲がったり、蛇行したりします。
風の吹き方も、雲ができる場所もその時々で変わり、それぞれの場所で、晴れたり、曇ったり、雨が降ったりします。
海底もデコボコなので、海流も真っ直ぐ進んだり曲がったりします。このためその上の空気(風)への影響も、時々で変わります。これも「天気の変化」の原因になるのです。
つまり、天気が変わるのは、「地球が丸いため太陽による温まり方が場所ごとに変わり、気流や海流ができること」「地球の表面や海底がデコボコなので気流や海流の動きが、その時によって変わっていくこと」が原因なのです。
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。