五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。
2024/12/08
雪の季節到来です。日本の上空には強烈な寒気が流れ込むと大雪に警戒です。
大雪の可能性は、気象状況から事前に予測できます。
雪雲の多くは日本海から流れてきます。しかし、実際にどこが大雪になるのかは「雪雲」の行き先次第、風次第です。「風の予測」が一番難しいので、状況が変わることがよくあります。気象情報をこまめにチェックしましょう。
東海地方の大雪を考える上で重要なキーワードは「日本列島のクビレ」です。日本海で成長した雪雲は、北アルプスなど高い山にぶつかり、そこでせき止められて雪を降らせます。これが日本海側での大雪です。
ところが若狭湾のあたりは相対的に山が低く、雪雲はあまりせき止められません。また琵琶湖のあたりは「日本列島のクビレで、最も細くなっている部分」です。標高も低く風が吹き抜けやすい構造です。このため日本海の雪雲が、若狭湾→琵琶湖→関ヶ原(谷筋)と、流れ込んでくることがあります。
風向きで、この雪雲の行き先が変わり、西よりの風の場合は西濃〜濃尾平野が雪、北よりの風の場合は雪雲が養老山脈に沿って流れ、四日市など三重・北部が雪になるわけです。名古屋で降っていないのに、四日市は大雪という現象は、このような仕組みによるものです。
そしてもう一つ、「南岸低気圧」も重要なキーワードです。日本列島の南側(太平洋岸)を通過する低気圧に、北から冷たい空気が流れ込んで大雪を降らせます。
南岸低気圧は関東地方での大雪のパターンで、東海地方など西日本で大雪になるケースは少ないとされています。しかし「南岸低気圧」の移動ルートによっては、東海地方でも大雪になるので警戒してください。
雪が降ると暮らしに影響が出ます。食料備蓄、燃料備蓄、停電対策などが必要です。
高速道路・国道などでは、雪で動けなくなった車を先頭に、大渋滞になることがあります。雪の予報の時は出かけないこと。
どうしても行かないといけない場合は冬用タイヤにして、小型スコップ、携帯食料、飲料水、暖をとるもの、スマホ用バッテリー、携帯トイレなどを持って出かけましょう。
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。