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2017年9月3日放送

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視聴者の声

  • 7月25日に『UP!』で放送された特集「土用の丑 夏はやっぱウナギ!」で「備長炭」として伝えていたものは、大部分がオガクズで作ったオガライトという炭だったと思います。1本でも備長炭を使っていれば、「備長炭」と表現してしまうのでしょうか?

取材したお店でオガライト系の燃料を使用していることは、取材した時に確認していました。正確には「備長炭など」と表現すべきでした。申し訳ありませんでした。

放送倫理・番組向上機構(BPO)からのお知らせ

放送人権委員会は8月8日、テレビ静岡の「浜名湖切断遺体事件報道に対する申立て」に関する事案で、「要望あり」との見解を第66号委員会決定として公表しました。

この事案は、テレビ静岡が2016年7月14日のニュース番組『FNNスピーク』など午前11時台から午後6時台に4回、ニュースとして、「静岡県浜松市の浜名湖で切断された遺体が見つかった事件で、関係先とみられる県西部の住宅などを捜索し、複数の車を押収、事件との関連を調べている」、「関係者から事情を聴いている」というテレビ静岡が独自に入手した内容や申立人宅の一部や敷地内で押収された車が運ばれる場面などの映像を放送したものです。

この放送に対し、申立人は、「殺人事件に関わったかのように伝えながら、許可なく私の自宅前である私道で撮影した捜査員が自宅に入る姿や、窓や干してあったプライバシーである布団一式を放送し、名誉や信頼を傷つけられた」等と訴えました。

申立人は、後に浜名湖事件の容疑者として逮捕される人物と交遊があり、この人物から軽自動車を譲り受けていました。この車がこの日、申立人宅の敷地内で押収されました。申立人は、捜査員は浜名湖事件の容疑者による別の窃盗事件の証拠品として車を押収しただけだったにもかかわらず、本件放送は浜名湖事件に関係のない申立人を事件に係ったかのように伝えたとして、人権侵害を委員会に申し立てたものです。

委員会決定では、テレビ静岡の取材経緯や多数の捜査員を動員した警察当局の行動から分かるように、当日、申立人宅で行われた捜査活動が浜名湖事件捜査の一環だったことは明らかである。委員会は、本件放送の映像を検討し、ただちに申立人宅と特定されるとはいえないと判断した。しかし、当日朝の警察の活動は申立人宅周辺の人々の耳目を集めるものだったと思われ、本件放送を見て、申立人宅を特定した可能性は否定できない。

本件放送には「関係先の捜索」、「関係者の聴取」といったスーパーが伴っていた。その結果、本件放送によって、申立人宅が浜名湖事件の「関係先」として、申立人が「関係者」として、申立人宅周辺の人々に認知され、申立人の社会的評価は一定程度低下しただろう。

しかし、殺人事件の捜査状況を伝える本件放送には公共性・公益性が認められる。そのうえで、委員会は、「関係先」、「関係者」、「捜索」という表現を含めて、本件放送が伝えた事実の重要部分の真実性ないしは相当性を検討し、真実性ないしは相当性が認められると判断。本件放送は申立人への名誉毀損に当たらない。

申立人は、本件放送で流れる布団や枕が映った申立人宅の映像などが申立人のプライバシーを侵害していると主張しているが、これらの映像で映された対象自体は他者に知られることを欲しない個人に関する情報や私生活上の事柄とまではいえないから、プライバシー侵害は認められない。放送倫理の観点からも、問題があるとまでは判断しなかった。

しかし取材過程で、捜査活動の目的は申立人宅の家宅捜索ではなく、敷地内に駐車していた軽自動車の押収だったことが推定できたのではないか。そのような捜査活動の全体状況に考慮して、繰り返し流れた「関係先の捜索」というスーパーを表示した申立人宅の一部の映像はより抑制的に使うべきだったのではないか。

本事案は、たとえ実名や本人を特定する内容を直接含むものでなくとも、テレビニュース、とりわけ犯罪に係るニュースが当事者に大きな打撃を与える場合があることを教えてくれたものといえる。委員会は、今回、自局のニュースが委員会の審理対象になったことを契機に、人権にいっそう配慮した報道活動を行うための議論を社内的に深めることをテレビ静岡に要望する、としています。

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