2021年9月5日放送
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人権委員会は第294回委員会(7月20日開催)で、「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」について、フジテレビから「再発防止に向けた対応報告書」を受けとり、内容について検討の結果、了承することを決めました。
フジテレビが2020年5月に放送した恋愛リアリティ番組『テラスハウス』に関しては、出演していた女性が放送後に亡くなったことを受け、女性の母親が「番組の過剰な演出がきっかけでSNSに批判が殺到したためで、人権侵害があった」と申立てました。委員会で審理した結果、「出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で、放送倫理上の問題があった」とする委員会決定が2021年3月に通知・公表されていました。
フジテレビがまとめた報告書では、委員会決定について社内の周知を図ると共に、再発防止に向けて関係者の会議やセミナー、BPO委員による研修会を開催したということです。このうち社内向けセミナーには400人以上が参加し、今回の事案を受けて新設された組織、「SNS対策部」が、専門企業と提携のうえ24 時間 365 日、SNSの機械的なチェックとヒトによる監視を実施していることが報告されました。また、臨床心理士、精神科医といったメンタルケアの専門家や、SNS 上の問題に精通した弁護士とも契約して、炎上やトラブルの発生時に迅速かつ的確な対応ができる体制を整備していくと説明されました。
この他、「SNS への対応-誹謗中傷は絶対に許さないという強い姿勢」、「出演者へのケア-幾重にも重なるケアの実現」という基本方針に沿って「SNS ガイドライン」がまとめられました。ガイドラインでは、コンテンツ制作やSNSについての注意点が具体的な事例を交えて説明されていて、すべての社員がガイドラインのWEB版にスマートフォンでアクセスできるようにしているということです。
この「SNS ガイドライン」については、研修会の席で曽我部委員長から「形骸化させることなく、常に生きた制度にしていく努力をお願いしたい」という意見が出されました。委員会では、「出演者や制作スタッフを守るための専門家の導入を期待したい」との意見があり、フジテレビの再発防止に向けた報告を了承することにしました。
青少年委員会は第236回委員会(7月27日開催)で、2021年6月、千葉県八街市で集団下校の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故の取材で、被害児童の同級生へのインタビューを放送した番組に対し、「児童への配慮がなさすぎる」などの視聴者意見が寄せられていることについて意見交換が行われました。
BPOに寄せられた意見は、「同級生死亡のショックで心理的ダメージを受けている児童への配慮がなさすぎる」「PTSDの配慮に欠けたマスコミの自分勝手な取材に憤りを感じる」などの内容でした。
委員からは、「2005年に青少年委員会から『被害児童の家族、友人に対する取材の注意喚起』が求められており、2012年の東日本大震災でも子どもへの配慮が要望された。現場にきちんと共有されているのか」という意見があがりました。この他、「保護者、親権者の同意を得たとしても、子どもに与える影響とか心理的な影響を十分に考えた上での取材なのか」「もし周囲にいる大人に、このインタビューが子どもを心理的に傷つけるという知識がなかったら、PTSD 等のハイリスクに曝される可能性が高く、基本的にやってはいけないことだと思う」との意見も出されました。青少年委員会では、この問題について引き続き「討論」することになりました。
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