2023年9月3日放送
ご意見ありがとうございます。イベント主催者に確認したところ、魚を放流した用水路は魚が外に逃げ出さないよう土のうで区切り、イベント終了後に魚はすべて回収したということでした。
ご意見、ありがとうございます。今後も有益な情報をお伝えできるよう番組作りに努めてまいります。
放送倫理検証委員会は、8月4日、TBSテレビの報道番組『news 23』の農業協同組合の共済に関する放送内容について、取材源の秘匿という原則が損なわれ、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めました。
1月12日に放送された「調査報道23時」のコーナーでは、農業協同組合、JAの職員が共済販売の過大なノルマを課され、ノルマ達成のために職員やその家族が必要のない契約を結ぶ、いわゆる“自爆営業”が横行していると報道しました。
取材に協力した職員のインタビューは、「ノルマ達成のために1歳と5歳の子どもに必要のない共済をかけている」「上司から給与やボーナスが支払えなくなるといわれ、職員や農協のためにノルマをなくせない」など、自爆営業を内部告発する内容でした。
放送では、告発した職員について、顔にぼかしをかけ、声を加工していたものの、映像、音声いずれも加工が十分でなかったことなどから、この放送によって告発した職員は身元がばれた挙句、職場に居づらくなり、退職に追い込まれたといいます。
取材を受けた職員を知る視聴者からは、「放送を見て誰であるかを私ですら特定できた。彼は農協の問題を告発し多くの職員の声を代弁してくれた。退職になりとても残念だ。テレビ局の取材対象に対する不誠実な姿勢を問題にしてもらいたい」という意見がBPOに寄せられていました。
委員会では、TBSテレビから報告書と番組DVDの提出を受け協議した結果、報道の取材源の秘匿という原則が損なわれるという放送倫理違反の疑いがあり、取材から放送に至る経緯などについて詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めました。今後は番組関係者のヒアリングを行うなどして審議を進めることにしています。
放送倫理検証委員会は、8月4日に開催した第186回委員会で、6月に審議入りしたNHKの新型コロナ報道事案ついて、番組関係者に対するヒアリングの内容が報告されました。
この事案は、NHK『ニュースウオッチ9』の5月15日放送で、「新型コロナ5類移行から1週間・戻りつつある日常」と題した約1分のVTRで、ワクチン接種後に亡くなった人の遺族を、新型コロナに感染して亡くなった人の遺族と受け取られるような伝え方をしたものです。
取材に協力したのは、「ワクチン被害者の遺族の会」の3人で、番組では3人がワクチン接種後に亡くなった人の遺族であるという説明はなく、テロップで「夫を亡くした」「母を亡くした」と紹介されました。視聴者には、新型コロナ感染により亡くなったかのような印象を与える放送となり、「遺族の会」の抗議を受け、NHKは5月16日の放送で謝罪しました。
今回の委員会では、担当委員から番組関係者を対象として実施したヒアリングの内容が報告され、出席した委員との間で、放送に至った経緯などを中心に事実関係の確認や質疑がなされたということです。委員会では今後、さらに必要なヒアリングを実施することにしています。
日本民間放送連盟では、番組出演者がSNSなどで誹謗中傷を受ける恐れがある点に留意し、健康状態に配慮することをうたった放送基準の条文を新設することを7月26日に発表しました。また放送局が誹謗中傷への対策を検討するうえで参考となる様々な取り組みを「留意事項」として策定しました。
番組出演者を誹謗中傷から守る取り組みは、フジテレビが制作・放送した恋愛リアリティ番組『テラスハウス』で、出演者のひとり、プロレスラーの木村花さんが、番組の配信や放送を見た視聴者からSNSで誹謗中傷を受けたことを苦にして、2020年5月、自ら命を絶った事案が契機となりました。
亡くなった木村花さんの母親からの申し立てを受け、BPO放送人権委員会が審理した結果、フジテレビには「出演者の身体的・精神的な健康状態に関する配慮が欠けていた点について、放送倫理上の問題があった」と判断する委員会決定が2021年3月に公表されました。また委員会決定では、フジテレビだけではなく放送界全体で教訓を汲み取り、同じような悲劇が二度と起こらないよう、番組出演者の保護について自主的な取り組みを検討するよう求められていました。
民放連が新設した放送基準の条文では「放送内容によっては、SNS等において出演者に対する想定外の誹謗中傷等を誘引することがあり得ることに留意する。また、出演者の精神的な健康状態にも配慮する」と定められました。誹謗中傷等を誘引としたのは、誹謗中傷以外の例として、人格攻撃や名誉毀損、個人情報の暴露などが考えられるためです。
そのうえで放送基準の条文とは別に、「番組出演者への誹謗中傷に関する留意事項」を定めました。この留意事項は、それぞれの放送局が、自主的かつ自律的に、誹謗中傷対策を行う時、どのような取り組みが考えられるかを具体的に示しています。
まず、「SNS等に関する理解・知識を深め、常に最新情報をアップデートしておくこと」、「誹謗中傷された場合に、出演者が相談できる担当者などの窓口を決めたうえで、出演者にも伝えておくこと」、「問題が発生した時、社内でどのように情報共有するのか、どの部署が中心的に対応するのかを確認しておくこと」、「心理カウンセラーや精神科医、弁護士やSNS専門家など、相談する社外の専門家を想定しておくこと」が挙げられています。
そのうえで番組のタイプに応じて、取り組みの強弱をつけることが必要とされています。出演者が誹謗中傷の対象となりやすいため、多角的な取り組みを求められる番組は、リアリティ番組の他、出演者に優劣をつけるオーディション番組、出演者自身に焦点を当てたドキュメンタリー番組です。
これらのタイプの番組では、放送前の時点で、「精神的な健康状態に悪影響が出る可能性を出演者本人に説明すること」、「番組サイドが積極的に声掛けを行い、出演者の悩みを察知するよう心がけること」、「出演者に対するSNSの状況をモニタリングできるよう、事前に出演者と打合せをしておくこと」などが挙げられています。放送後にも「SNSの状況を一定期間チェックする」他、「必要に応じて、専門家の受診やカウンセリングを勧めること」としています。
なお、留意事項にまとめられたこれらの取り組みは、画一的にすべてを行うものではなく、番組ジャンル、番組内容、出演者属性などに応じて、放送局が必要な項目を検討・選択し、状況にあわせた適切な配慮を行うことを目的として定められたものです。
対象となる出演者は、一般の人やサポート体制が十分でない出演者を主に想定しており、政治家などの公人が、その立場で出演する場合は対象とはならないこと、芸能プロダクションに所属する出演者は、プロダクション側によるサポート体制も考慮に入れたうえで、必要な対応をとることとしています。
民放連の放送基準の新しい条文と留意事項は、2024年4月に施行されます。メ~テレではかねてより「民放連の放送基準」を「メ~テレの放送基準」としており、今回の改正についても、番組審議会への諮問・答申などの手続きを経たうえで、2024年4月施行に向け、様々な取り組みを進めてまいります。
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