2024年8月18日放送
放送に不体裁がありましたこと、深くお詫び申し上げます。今回の不体裁は、テレビ朝日の放送設備において制御系システムが突然故障したことによるものです。テレビ朝日は、極めて重大な事案と受け止め、安定的な放送運行のため再発防止策を実施するとしています。
ご意見ありがとうございます。いただいたご意見を参考に、今後はより多くの皆様にご視聴いただけるよう努めてまいります。
第656回放送番組審議会(7月9日開催)では、メ~テレドキュメント『掌で空は隠せない~1926木本事件~』(5月25日放送)について審議しました。
放送倫理検証委員会は第197回委員会(7月12日開催)で、テレビ東京が放送した警察密着番組について、放送倫理違反の疑いがあり検証する必要があるとして、審議入りを決定しました。この番組は、放送人権委員会でも6月に審理入りしていて、今後、人権委員会と検証委員会の両委員会で、並行して審理・審議が行われることになります。
対象となった番組は、テレビ東京が2023年3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』です。番組では、愛知県警が強制捜査した人気アニメ『鬼滅の刃』の関連商品に関する不正競争防止法違反の疑いがある事案を取り上げ、会社役員ら4人が逮捕されたと伝えながら、このうち3人が不起訴になった事実を伝えていませんでした。また、番組で取り上げた会社が、強制捜査の後も商品を中国に発注していたと伝えていましたが、番組制作者はこの事実を確認していなかったうえ、会社側から「そのような事実はない」と指摘されていました。
検証委員会では、テレビ東京から報告書と番組DVDの提出を受け議論した結果、「番組に複数の問題点があるのでは」などの意見が出され、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めたものです。今後、番組関係者らを対象にヒアリングなどを行い、取材・編集、それぞれの段階について、詳しく検証することになります。尚、この番組については、逮捕場面を放送された会社役員らから、「名誉を著しく傷つけられた」「許容される演出の範囲を逸脱している」などとする申立てを受け、放送人権委員会が6月18日に審理入りすることを決めています。
青少年委員会は第269回委員会(6月25日開催)で、交通事故を目撃した6歳の子どもにテレビ局がインタビューをしたことを問題視する視聴者意見について、議論が行われました。視聴者意見が寄せられたのは、高齢者が運転する車に小学生が横断歩道ではねられた事故で、事故に遭った小学生と相前後して横断歩道を渡っていた6歳の女児に、母親付き添いのうえ、事故の状況をインタビューした報道番組についてです。この報道を見た視聴者は、「事故を間近で目撃した女児に話を聞くのは酷ではないか。トラウマになると思う」などと、テレビ局の取材のあり方に問題があると指摘する意見を青少年委員会に寄せました。
委員会では「インタビューの質問に一定の配慮はうかがえた。しかし、事故を目撃した直後だと考えると、『記憶の想起』という懸念は避けられないと思う」と担当委員が見解を示しました。これに対し別の委員は、「この女児の発言があって、車が来ていることに気づいた子とそうでない子がいたことがわかった。保護者は『横断歩道の信号が青でも、車が突っ込んでくることがあるからね』と注意できるようになる。最低限の報道する意義は保たれていると思った」と述べました。また、「メディアスクラムにならないよう、現場の取材者たちが配慮したとみられる点はよかったと思う」との意見も出されました。
しかし、別の委員は「事故捜査の必要から、警察が子どもを聴取することがある。報道機関が子どもに直接取材しないで、警察が事故の経緯を発表すれば十分ではないだろうか」と述べました。この点について委員のひとりは「報道のための一次情報はすごく大事だ。警察を介して二次情報になって出てくるものは『加工』されている場合がある。一次情報の取材と、子どもの保護、とくにトラウマを防ぐこととのバランスを考えるのが大事なのだろうと思う」と意見を述べました。
委員会では、委員から様々な意見があがったものの、最終的にこの事案について討議するまでの必要はないと判断のうえ、議論を終了することにしました。
メ~テレでは皆様からのご意見やご感想を真摯に受け止め、今後のよりよい番組作りにいかしてまいります。番組に対するご意見は
にお寄せください。