【衝撃映像】自転車で体育館の天井に!? 廃校を巨大練習場に…岐阜・本巣市から五輪目指すBMX小澤楓

2024年2月15日 18:01

岐阜の廃校になった小学校の体育館が、世界規模の施設に。そこには、親子の夢が詰まっていました。

自転車で体育館の天井に!?

 岐阜県本巣市の山間部、旧根尾村にある廃校になった小学校。

 体育館に広がるのは、100平方メートルのスポンジプールに、高さ4メートル70センチのそびえたつ4つの壁。実はここ、自転車競技BMXの練習場なんです。

「ここめっちゃ雪が降るでな、積もるんじゃないのこれ」(小澤楓選手)

 雪を横目にトレーニングをするのは、本巣市出身の岐阜第一高校1年、BMXの小澤楓選手です。

 

空中で華麗な技を披露

去年、初めてBMX世界選手権で決勝に進出

 おととし。制限時間内にトリックを出し続け技の難度や完成度などを競うオリンピック種目、フリースタイルパークで中学生ながら日本一に輝くと──

 去年、初めての世界選手権で決勝に進出し、15位と大健闘を見せました。

 技のバリュエーションが豊富で、常にトリックを繰り出し続けるのが持ち味の16歳は、7人兄弟の長男。2つ年下の妹・美晴選手も日本のトップライダーの一人です。

 主な練習拠点は、自宅から車で30分のところにある、通称・根尾パーク。作ったのは、建設業を営む父の建司さんです。約バレーボールコート2面分の土地を基礎から開拓しました。

「趣味でやるなら全然いらないと思いますけど、本当に世界を目指してやるっていうのであればなるべく環境を良くしてあげたい」(父・建司さん)

 ところが、この場所特有の大きな問題がありました。

 

廃校の体育館が全国屈指のBMXパークに

廃校の体育館を全国屈指のBMXパークに

「風が吹いとるとヤバい。押されると踏ん張る場所がない」(小澤楓選手)

 山あいとあって、重さ約10キロの自転車が強風にあおられることも多く…

 冬には雪に覆われ、練習が制限されてきました。

 そこで、父・建司さんが目を付けたのが、練習場からほど近い、廃校になった小学校の体育館。

 本巣市に直談判をし、去年5月から工事を始めました。

 おらが町のヒーローのために、時には地元の有志も協力。

「掃除のボランティアならできると思って参加しました」(地元の人)
「本巣の大きな宝財産ということで小澤さんの大きな夢も一緒に追いかけていきたい」(地元の人)

 小澤選手の意見を取り入れながら作業すること8か月。

 廃校の体育館が全国屈指のBMXパークに生まれ変わりました。

 

中には4tトラック4台分のスポンジ

スポンジプールは世界規模の大きさ

 中でもスポンジプールは、幅9メートル、奥行11メートルと世界規模の大きさ。

 正面から助走をつけて跳べるだけでなく、側面からも技を繰り出せます。

「横にもはみ出さないし、縦にもはみ出さないんでいい感じっすね」(小澤楓選手)

 さらに、4tトラック4台分のスポンジが敷き詰められているがゆえに、サーカスばりの離れ業もへっちゃら。

 8メートルの最高地点から落下しても、スポンジが守ってくれます。旧根尾村が故郷でもある建司さんには、全国屈指のパークを作り続けるもう一つのモチベーションがありました。

「根尾の村おこしをしていきたいなと。淡墨桜っていう大きな桜もあるんですけど、それ以外に人ってなかなか来ない。ここを何とか盛り上げていくためにも人が流れてくる施設を作る」(父・建司さん)

 

地元民も小澤楓選手を応援

過疎化の地域で”村おこし”

 去年の夏、根尾パーク。建司さんも参加する地域活性化を促進する会が、イベントを開催。キッチンカーには行列ができ、魚のつかみ取りに子どもたちが群がりました。

「普段静かすぎるぐらい静か。こんな大勢の人がよってくることがないのでありがたい」(地元の人)
Q.小澤君は知ってる?
「楓君は知っています。オリンピックに出てほしいよね」(地元の人)

 本巣市の藤原勉市長も駆け付ける中、メインイベントはもちろんBMXショー。

 小澤選手は、ここで磨いてきた技を次々に披露していきます。

 この日集まったのは、根尾地区の人口を上回る1200人。BMXの聖地へ。着々と歩みを進めています。

「本巣がBMXで、もっともっと盛り上がっていくといいと思うので根尾の良い環境や魅力を伝えていかないといけない。楓選手には世界を目指して頑張ってほしいので二人三脚なのかなと」(父・建司さん)

「予想より人が多くて盛り上がったので良かったと思います。練習して頑張って応援してもらえるように頑張っていきます」(小澤楓選手)

 

本巣市出身・岐阜第一高校1年 小澤楓選手

“BMXの聖地”から五輪の舞台へ

 新たに加わった拠点でも、失敗と成功を繰り返し技の習得に励む小澤選手。

 世界ランクは10代でトップの22位にまで上昇しました。

 それでも、パリオリンピックに出られるのは、わずか12人のみ。地元の期待を背に狭き門に挑む16歳は、来週日本で5年ぶりに開かれる国際大会でもアピールを続けます。

「パリに行くにはまず世界大会で上位に行くしかないんで、確実に上位が取れるように頑張ります」(小澤楓選手)

(2月15日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』じもスポ!コーナーより)

 

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