梅雨に映える「アジサイ」“花”の部分はどこにある? 6月いっばいが見頃の東山植物園に聞く 名古屋
2024年6月7日 20:21
梅雨の時季に映える美しい「アジサイ」。実は、身近な花でありながら色んな不思議があるんです。50品種約1300株のアジサイが咲き誇る、名古屋市の「東山動植物園で、その秘密を聞いてきました。
アジサイ群 撮影場所:東山植物園 7日
<アジサイの原産地はどこ?>
「『セイヨウアジサイ』とよく聞くと思いますが、実はアジサイの原産国は日本なんです」(東山植物園:新見芳和園長補佐)
今、私たちがよく見るアジサイは、もともとは日本で咲いていたものがヨーロッパに渡り品種改良されていったと言われています。
アジサイは品種改良が比較的に簡単で、今も国内外で改良が続けられていて、様々な色や形の新品種が生まれているんだそうです。
青色のアジサイ
<アジサイの色は土で決まる?>
アジサイの色と言えば、青・紫・薄紅ですが、どうして色が違うのでしょうか?
「アジサイの色の変化には、土の酸度と花の色素が関わっています。」
(東山植物園:新見芳和園長補佐)
キーとなるのは「アントシアニン」と呼ばれる色素と、土壌に含まれる「アルミニウム」です。
実は、この2つが結合することで色の変化が起こるため、
<アルミニウムが吸収しやすい酸性の土壌 → 青>
<アルミニウムが吸収しにくい中性~アルカリ性の土壌 → 薄紅色やピンク色>となるんだそうです。
また、白い花の品種は「アントシアニン」の色素がないなど、品種によっては、土壌の影響を受けないものもあると言います。
アジサイの真花
<アジサイの“花”はどこにある?>
先ほど、アジサイの色と言えば、青・紫・薄紅などと言いましたが、実は、表面に見えている部分は花ではありません。
「花のように見える部分は『装飾花』といい、ガクが変化したものなんです」(東山植物園:新見芳和園長補佐)
では、アジサイの花はどこにあるのか??
装飾花の中を探してみると…ありました!小さな“本来の花”が、奥に隠れていました。
「装飾花」に対して本来の花の部分は「真花」と呼ばれています。
気象台が発表しているアジサイの開花も、この真花が咲いたことを言います。
身近にありながら知ってるようで知らないアジサイの不思議。このマメ知識を持って、また違った視点で観賞してみてはいかがでしょうか?
50品種約1300株が咲き誇る、東山植物園のアジサイの見ごろは6月いっぱいだということです。