空前の好決算から一転「型式指定」で逆風のトヨタ株主総会
2024年6月18日 18:15
トヨタ自動車の株主総会が18日朝、愛知県豊田市の本社で開かれました。「型式指定」をめぐる認証不正について佐藤恒治社長が謝罪しました。
雨が激しく降りしきる愛知県豊田市。
「株主総会が始まるのを前にトヨタ自動車本社に株主が続々と入っていきます。過去最高の業績のなか発覚した認証不正の問題。経営陣がどのような説明をするのか注目されます」(記者)
2023年度の売上高は45兆円を超え、純利益は約5兆円に。
好調な販売などを背景にトヨタは5月、空前の好決算を発表しました。
佐藤恒治社長は「今期は意志を持って『足場固め』に必要なお金と時間を使う」と決算会見で意気込みましたが――
トヨタは6月3日、自動車の量産に必要な「型式指定」をめぐり、グループ企業だけでなく、トヨタ自身にもエンジンのデータ改ざんなどの不正があったと公表。
「自動車メーカーとして絶対にやってはいけないこと。心よりおわび申し上げます」(豊田章男 会長)
「ヤリスクロス」など3つの車種は、生産を止める事態になりました。
株主からは認証不正への対応の甘さを指摘する声
総会に訪れた株主は
総会に訪れた株主の関心もやはり――
「いろいろ不祥事(認証不正)があった。それをしっかり聞きたい」(株主)
「今後のトヨタはどういう風になっていくか。豊田会長と佐藤社長から力強い言葉をもらえるとうれしい」(株主)
これに対して経営陣からは――
「認証問題について、ご心配ご迷惑おかけしておりますことを心よりおわび申し上げます」(佐藤恒治 社長)
株主からは、認証不正への対応の甘さを指摘する声や、立て直し策の質問が相次ぎました。
また、出席した豊田章男会長に対し「内部統制がきいていない」などと指摘する声も。
豊田会長は「グループの責任者」として「ひとりひとり考え動くことができる現場をつくる」と応じました。
「謝罪はあったが、具体的な説明はまだあまりなかった」(株主)
「若干失礼な言い方をすれば、想定されてるような質問に対して、想定されてるような答えがあった。不正の問題に対し、もう少し踏み込んだ質問が出るかと思った」(株主)
完成車を運んでいるというドライバーの男性は、生産停止の影響について――
「僕もトヨタ系の仕事なので。仕事が減っている点について、どれだけめどが立つのかなと。トレーラーで車を運んでいて、うちは最終工程になるのでどうしても完成車が出てこないと仕事は来ないので、回復するのも一番最後です」(完成車を運ぶドライバー トヨタの株主)
株主に助言をする「議決権行使助言会社」からは、豊田会長の責任を問い取締役再任に反対する意見が相次いでいましたが、取締役の選任議案など会社提案の3議案は賛成多数で可決されました。
佐藤社長は「今後も期待に応えられるよう、クルマ屋らしく真摯に車づくりに取り組む」と締めくくりました。