結び付けたのは「闇バイト」 カード会社にうその申し立て　現金をだまし取った疑い、2人を逮捕

闇バイトに応募してきた男のデビットカードを使い、不正利用されたなどとうその申し立てをし、現金をだまし取ったとして、男2人が逮捕されました。

　詐欺の疑いで逮捕・送検されたのは、すでに詐欺などの罪で起訴され、公判が始まっている広瀬大祐容疑者(24)と北海道室蘭市の佐藤康則容疑者(56)です。

　警察によりますと、2人は共謀し、おととしから去年にかけ、広瀬容疑者が佐藤容疑者のデビットカードを使い、高級ブランドの服を買ったにもかかわらず佐藤容疑者が「不正利用された」などとカード会社にうその申し立てをして、現金37万円余りをだまし取った疑いが持たれています。

　闇バイトに応募してきた人のデビットカードを使い、広瀬容疑者は自分で着用するように、派手な高級ブランドの服を買っていました。

　年齢も住居も離れている2人を結び付けたもの。それは「闇バイト」でした。

　広瀬容疑者が使っていたのは、誰でも無料で作成することができる、SNSの公式アカウントでした。

「今回、面白い案件を発足しました。不正利用されたとして補償申請することで、その分を無料で得るスキームです」「どのクレカにも付帯されてる補償を使うので安全安心」などとメッセージを送り、闇バイトを募ります。

　さらに「即日着金」や「手数料2割、安心の後払い」などの誘い文句も明記していたといいます。

　その後、広瀬容疑者は、闇バイトに応募してきた佐藤容疑者のデビットカードを使い、ネットで服を購入。

　買った服は、「ノーリスク在宅ワーク」を名乗る別のアカウントで闇バイトを募り、応募してきた協力者の自宅に郵送。

　協力者に服を転送させて、受け取っていたとみられています。

　一方で、佐藤容疑者には、カードが不正に利用された旨を、カード会社に申請させ、その分の現金をだまし取らせていました。

　調べに対し、広瀬容疑者は「私は全く知らないこと」と容疑を否認。佐藤容疑者は、認めています。

　警察は、広瀬容疑者は、ほかにも数十人に、クレジットカード情報などを提供させていたとみて、余罪を調べています。