夜空に咲く1万発の大輪 熊野大花火大会に密着 「巨大地震注意」の影響も、安全対策を重ね決行

2024年8月19日 17:00

1万発の花火が夜空を彩りました。17日開催された三重県熊野市の、熊野大花火大会。 地震の影響で開催が心配されていましたが、地元では様々な取り組みを重ね決行に踏み切りました。

 江戸時代から約300年続くともいわれ、多くの観客を魅了してきた大花火。

「すごくきれい」(観客)

「写真で見るより全然きれい。来られてよかった」(観客)

 色とりどりの打ち上げ花火や、いかだに仕掛けた花火が海面で炸裂する「海上自爆」。職人が手作業で仕込んだおよそ1万発の花火が全国から訪れた観客を、楽しませます。

 そんな中、実行委員会の中平孝之さんは、特別な思いで夜空を見上げていました。

「熊野花火は亡くなった方を弔うという花火なので、ぜひともやってほしいという意見が大半」(熊野大花火大会・中平孝之会長)

 

観客へ配布された避難経路の案内図

「巨大地震注意」の発表で安全対策を強化

 8月8日、宮崎県で震度6弱を観測した地震で気象庁が初めて南海トラフ臨時情報「巨大地震注意」を発表。

 各地の海水浴場やレジャー施設は対応を余儀なくされました。
 
 実行委員会も直前まで会議し、安全対策を強化することで開催することに決めました。

「何日延期したら臨時情報からクリアできるのか誰もわからない。花火大会を2カ月も3カ月も延期することはあり得ない。延期するなら予定通りやりたい」(中平会長)
 
 避難経路を載せたチラシを急きょ1万枚作成し観客へ配布。街中に設置する避難誘導の張り紙も例年より増やしました。

 災害時に避難誘導するボランティアにも丁寧に説明します。

 

花火大会当日の様子

花火大会当日には、16万人の観客が

 迎えた当日--
 
 全国各地から駆け付けた観光客で会場周辺の駐車場は、あっという間に満車。
 
 11年ぶりの土曜日開催に集まったのは、なんと16万人。街の人口の10倍以上です。

「めちゃでかい花火が見られる。すごく楽しみにしてきました。避難場所の確認と持ち物の確認はしています」(大阪から)

「着替え・食料・携帯トイレを車に積んできました」(三重・伊賀市から)
 
地震を警戒しながらも花火を心待ちにしている観客たち。

 

花火の中、浮かびあがる獅子岩

夜空に咲く色とりどりの大輪

 初盆を終えた人たちの供養を終え、午後7時過ぎーー

 迫力のある音が響き渡り、色とりどりの大輪が目の前で花開きます。

 いよいよクライマックス。
 
 世界遺産・鬼ヶ城の岩場で花火玉を爆発させる鬼ヶ城大仕掛け。

 鮮やかな花火で熊野市を象徴する、奇岩・獅子岩が浮かび上がります。

「超きれいだった。レインボーのでかい花火。時間かけて来たかいがあった」(岐阜からの観客)
「津波とか巨大地震注意が出たので、来るか迷ったが、怖さもありながら来てよかった」(観客)

「こういう目に見えない災害対策をどうしていくのか、これが1つの課題になってくると思います。(中平さん)

 

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