歩行者が消える!? 夕暮れは交通事故が多発する”魔の時間” 身を守る方法は

2024年9月24日 19:10

日が落ちる前後の夕暮れどきは、1日の中でも交通事故が多発する「魔の時間」と言われています。これからの季節は日没時間が早まるため、より注意が必要です。

対向車と自分の車が照らすライトの光が重なり、歩行者が見えなくなる「蒸発現象」

 警察によりますと、23日、岐阜県大垣市の信号のない交差点で、近くに住む83歳の女性が車にはねられ、その後死亡しました。

 事故の原因はわかっていませんが、発生時間は日没の時間の約30分前。辺りが暗くなり始めた時間帯でした。

 午後5時から午後7時までの夕暮れ時は、ドライバーにとっても歩行者にとっても周りが確認しづらくなるため、交通事故が増える「魔の時間」と呼ばれています。

 特に注意が必要なのが、これからの季節です。

 愛知県警が、午後5時から午後7時の“魔の時間”に起きた事故での死者数と重傷者数を過去5年でまとめたところ、9月から急激に増えていることがわかります。

 

午後5時から午後7時までは交通事故が増える「魔の時間」

対向車と自分の車のライトで歩行者が「蒸発」

 ”魔の時間”は、どのぐらい周りが見えづらくなるのでしょうか。

 愛知県一宮市にあるショッピングモールでは24日、JAFが「魔の時間」の危険性を伝える講習会を行いました。立体駐車場は“魔の時間”の暗さとよく似ているのだそうです。

 特に危険なのは、車同士がすれ違うタイミング。対向車と自分の車が照らすライトの光が重なることで、歩行者が見えなくなってしまう「蒸発現象」です。

「歩行者を見落とし、さらに車の前に人が出てきてしまって歩行者をはねてしまう事故が非常に多い時間帯。ドライバーとしてはも防ぎようがない現象なので、対向車とすれ違う時に安全が確認できないのであれば、アクセルを踏まずにブレーキをかまえていつでも止まれるような対策をとってもらえるといい」(JAF愛知支部 吉田英治さん)

 

「魔の時間」の危険性を伝えるJAFの講習会

暗い時間帯は明るい服と反射材を

 講習会を体験した人は――。

「参考になりました。暗いとき乗るのはやめようと思った。午後4時以降は乗らないようにといつも思っている。孫の塾の送迎も夕方は乗らないからと断っていた」(70代)

 日没も早くなり、暗い時間帯が増えていくこれからの時期。事故を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。

「大人も子どももどちらも見えづらいが、子どもの場合は安全確認がおろそかになって事故になりがち。暗い時は、白いものや黄色いものを身に着ける、昼間に明るいものも夜は見えづらいので反射材でドライバーにアピールするのが必要」(吉田さん)

 

警察官は「発光バンド」着用

 地下鉄の名古屋城駅近くでは、愛知県警の警察官が「魔の時間」の交通安全を呼びかけています。

 警察官が身につけているのは「発光バンド」。車はロービームで約40メートル先まで照らすことができます。発光バンドがあると、暗い中で40メートル先にいても見やすくなります。

 発光バンドは、市販のもので1000円~2000円で売っているものがあります。ぜひ身を守る選択肢として検討してみてください。

 

これまでに入っているニュース