自民党総裁に誰を選ぶか…票を投じる自民党員は「刷新感」重視 白紙状態で決めかねる党員も

2024年9月26日 21:24

いよいよ26日、自民党の新しい総裁が決まります。史上最多となる9人が立候補し、論戦を繰り広げた15日間。最終盤の情勢は、石破、高市、小泉氏の3人の候補が激しく競り合う形となっています。選ばれた新総裁は、臨時国会での指名選挙を経て「第102代」の総理大臣に就く見通しです。

 実質的に新たな総理を決めることになる今回の選挙。ANNの世論調査では、67%の人が総裁選への関心が「ある」と答えています。

 総裁選で「議論を深めてほしいテーマ」では、「景気・物価高対策」が51%と高い関心が示されました。

 さらに「年金・社会保障制度」「外交安全保障」と続き、去年、大きな問題となった「政治とカネ」については19%となりました。

 新総裁には誰が選ばれるのか。自民党の「国会議員票」とともに、総裁選の行方を左右するのは、全国で約105万におよぶ「党員票」です。

 

党員歴10年以上 広瀬勝彦さん

重要視したのは「刷新感」

 愛知県では、約5万3000人がその票を投じることになります。

 「きょうはコンビニ弁当です。高いですよね。本当はなるべく家で作ったおにぎりがいいが、最近は米も上がっていて大変です」(党員歴10年以上 広瀬勝彦さん)

 党員歴10年以上の広瀬勝彦さん(67)。社員約50人を抱える、道路舗装工事などを行う会社の社長です。

 世論調査では関心が高まっている「経済政策」。広瀬さんは、各候補が訴える「賃上げ」に対し、現場の苦悩を打ち明けます。

 「かなり厳しい状況ですよね。やっぱり材料高騰等ありまして、従業員の給料をやっぱり上げてあげたいというのはあるんですけども、じゃあその財源はどうやって会社が作るのっていうようなことはありますので、(物価高対策など)本当にできるのかなっていうちょっと疑問にはありますね」(広瀬さん)

 すでに投票を済ませている広瀬さん。今回、重要視したのは「刷新感」でした。

 「(今の自民党に対し)新しい風を吹かせてくれるのではないかという感じを持ったので投票した。政治とカネとかいろいろそういう面があったので、やはりまずは自民党の信頼を得なきゃいけないのかなと。今までの考え方を本当に刷新するというか本当に改革をしていただいて実現できるようなことを望みたい」(広瀬さん)

 

党員歴10年以上 飯田啓康さん

まだ白紙の状態

 誰に票を投じるか、まだ決めかねていた党員もいます。

 「まだ白紙の状態で、25日の夜、頑張って書こうかなと思っている」(党員歴10年以上 飯田啓康さん)

 こちらが自民党愛知県連から送られてきた「投票用紙」。偽造防止のためのホログラムシールが張られています。

 「自民党員としては、次の選挙で勝ってもらわなくちゃいけないので、“風”という日本国民が好きなワードというと小泉進次郎さんかなと。議員としての資質というか法律をつくるということにたけているのは官僚をやられていた、小林さんというところに期待しているし、日本の国家間に関してはやはり高市さんがしっかり持って見えるかなということで、この3名で今、迷っております」(飯田さん)

 

党員歴7年ほど 藤川功介さん

党員票1票あたりの”重さ”

 こちらは、名古屋市内で行政書士として働く藤川功介さん。7年ほど前に自民党の党員になったといいます。

 藤川さんが関心を寄せているのは「外交」です。

 「みんな経済政策、経済政策とお話しされてるんですけど、それはもう当たり前の話で、特に外交に関して僕は気にしていて、やっぱり世界と渡り合っていける日本の国力っていうのは絶対に必要だと思ってるんですね。なので、当然次の世代の教育もそうですけど世界での日本の立ち位置っていうのをもっと明確にしていくそんなリーダーであってほしいなと思ってる」(党員 藤川功介さん)

 25日の時点で白紙のままの投票用紙。支持する人を決めかねている背景には「党員票」1票あたりの”重さ”があります。

 総裁選は、自民党の衆参の国会議員が1人1票を投じる「国会議員票」368票と党員・党友の投票で各候補に比例配分される「党員票」368票、あわせて736票のうち、過半数を獲得した候補が総裁となります。

 

自民党総裁選の仕組み

自分の投票が「死に票」にならないよう投票先を考える

 ただ、誰も過半数を獲得しなかった場合、上位2人による決選投票に進みます。

 決選投票では、国会議員票は368票のままですが、党員票は都道府県ごとの「地方票」にまとめられて47票となり、国会議員票と党員票の比重に大きな差が出ることになります。

 今回の総裁選。1回目の投票では過半数を獲得する候補が出ず、決選投票にもつれ込む可能性が高い情勢です。

 藤川さんは、自分の投票が「死に票」とならないよう、投票先を考えないといけないと話します。

 「決戦投票に行った時に僕の票が死んでしまうという懸念はやっぱりあって、この人いいなと思うけど多分、決選投票まではいかないだろうなって思うと入れられない。残念ながら。期待票になる(自分の投票を)死に票にしたくない。国会議員と国民の良識が問われることだとは思うので、派閥間の力関係とかそういうことではなくて、将来日本どうしたいのってところだと思う」(藤川さん)

 一体、誰が新しい「日本のトップ」となるのか。各候補の”票確保”の動きは最終盤に差し掛かっています。

 

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