リユース市場3兆円、自治体も続々参入 岐阜市はメルカリにネットショップ、名古屋市はジモティーとタッグ

2024年11月5日 07:07

不要品を再利用する「リユース」。市場規模が拡大を続ける中、自治体の参入も相次いでいます。

 岐阜市が4日からフリマアプリ「メルカリ」内にネットショップを開設。イベントには柴橋正直市長も出席し、オープンをPRしました。

 何を出品しているのか聞いてみると…。

「岐阜市役所や岐阜市の施設で使用目的がなくなってしまったが状態が良く、もったいなくて捨てられないものを今回売らせてもらっています」(岐阜市 資源循環課 野々村聖子 課長)

 市の児童施設で使っていて古くなってしまった絵本や将棋盤などのほか、トレーニング器具やカメラなど800点以上を格安で出品。バドミントンのラケットとシャトルの一部は、昼ごろにすでに売れていました。

Q:売れた瞬間はいかがでした?
「(ガッツポーズをして)やったーって感じです。市の人間としては、そう簡単に捨てることもできません。大事な市の財産なので、活用できるのは本当にいいことだと思います」(野々村課長)

 

岐阜市がメルカリに出品したのはトレーニング器具やカメラなど800点以上

岐阜市、子ども用品から防災備蓄品まで800点以上出品

 また、いざという時に役立つものも…。

「これは防災備蓄品です。例えば水とか食品とか、おかゆ。消費期限がきてしまうので、それを今回お出しする」(野々村課長)

 家族4人の1日分の水と食事のセットは1000円で出品。備蓄品の出品は、市民の防災意識を高めるためでもあるといいます。

「市民の皆さんがこういったものを蓄えることはとても大切だと思う。今回ならお安く入手していただけるので、皆さんに自分の家で蓄えるきっかけになるといいなと思っています」(野々村課長)

 購入はメルカリのアプリなどを通して行い、岐阜市役所に自分で引き取りに来ることもできるといいます。

 リユースでごみが減るうえ、岐阜市の収入増にもつながる今回の取り組みに、市民は?

「再利用できるのがいい。この世の中、物価が高いから」(岐阜市民)

「メルカリを使うことですごくハードルは低くなると思います。暇つぶしとかでいろいろ見たりすると目に入ってきて、そこからどんどんつながっていったりもするので。ネットサーフィンではないけど、いい考えだと思います」(岐阜市民)

 

名古屋市とジモティーが連携した「ジモティースポット」(名古屋市西区)

名古屋市はジモティーとタッグ、粗大ごみ削減に期待

 一方、名古屋市では10月から市民が不要品を持ち込める拠点を西区に開設。

 不要品を地域で譲り合うことが出来る掲示板サイト「ジモティー」の運営会社とタッグを組みました。

「使えるものであれば幅広く引き受けることができます。ジモティースポットでは無料で引き取ることができます」(ジモティー 野村康二郎さん)

 衣類や日用品などが対象ですが、次の人が使えないと判断されたものや、リサイクル家電、3辺の長さの合計が180センチ以上の大型家具などは引き取ってもらえません。

 行政と民間の協力で、ごみの削減に期待を寄せています。

「去年の実績だと年間約8400トンの粗大ごみの収集量だった。通常のリユースショップでは取り扱えない、値がつきにくい商品も引き取ってもらえるので、リユースに非常に特化したスポットということで今回連携して、名古屋市のごみの減量効果を図っていくということで始めました」(名古屋市 資源循環企画課 橋村侑磨さん)

 

リユース市場は2030年には4兆円規模になる見込み

リユース市場、2030年には4兆円規模の見込み

 自治体も熱い視線を送る、リユース。

 その市場規模は年々拡大していて、「リユース経済新聞」によると物価上昇が続く中、去年は初めて3兆円台に突入。2030年には4兆円に達する見込みだといいます。

 市場の活況を受け、メルカリに出品する自治体も増え続け、岐阜市の参入は49番目だそうです。

「2023年度の実績で3000品以上を出品し、販売金額としては700万円以上あります。他の市町村ではグランドピアノや、資料館等で保存されていた岩塩の出品もあったり、自治体ごとの面白い出品物もあります。メルカリショップスに限らず、自治体との連携をいろいろな形で進め、『捨てるを減らす』取り組みを推進していきたい」(メルカリ 藤井彩香さん)

 

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