〈前編〉災害時の食料備蓄 お湯(水)の量 戻し時間で食感・風味に変化【暮らしの防災】
2024年11月10日 14:01
2024年8月、店頭からお米が消えました。「南海トラフ地震臨時情報」の発表と少なからず関係があると思います。備蓄食料に「お米を買った」人が大勢いたわけです。私は驚きました。生米は食べられるようにするためには手間がかかるからです。災害時は、できるだけ手間をかけたくないものです。改めて食料備蓄について考えます。
生米は炊かないと食べられない
生米は炊かないと食べられない
お米(生米)は炊かないと食べられません。
停電などで電気炊飯器が使えない場合、携帯ガスコンロや焚き火を使います。キャンプや普段の暮らしの中で、飯ごうや両手なべ・土鍋などで炊飯し、スキルやコツを習得していく必要があります。
そこまでは…という人には加工米をお勧めします。
まずは道具を準備
大前提
火力、鍋、水は必須です。何を備蓄して食べるのか?の前に、道具を準備しましょう。
火力は家庭用カセットコンロ、鍋はキッチンにある大きめの鍋でOKです。
特別なものを用意する必要はありません。普段使いのものを利用するのがポイントです。
お湯(水)の量、戻し時間で食感・風味が変わる
アルファ化米
登山などアウトドアで親しまれてきたアルファ化米(アルファ米)は、お湯や水で戻して食べます。白米、わかめご飯、ドライカレーなど種類も多く味もしっかりしています。お湯で15分、水だと60分で食べられます。1食350円くらい。美味しいです。(※価格は参考価格 以下同じ)
フリーズドライ米もあります。お湯で3分、水だと5分でOK。早く食べられるのが特徴です。食感はアルファ化米と違います。1食600円ぐらいから。
いずれもお湯(水)の量、戻し時間で食感・風味が変わります。あらかじめ試して、お好みの味に仕上がるよう、チェックしておきましょう。
災害時は湯せんで
パックライス
パックライスはメーカー品、プライベートブランド品も含め高品質化・低価格化が進んでいます。
いつもは電子レンジを使って温めますが、災害時は湯せんで15分〜20分でOK。
1食150〜200円ぐらい。カレー・牛丼、中華丼、マーボー豆腐などのレトルト具材やふりかけがあった方がいいです。これも常時備蓄しておきましょう。
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被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。