自動車ユーザーの99%が悲鳴!? 利用者に重い負担となる車にかかる税金 街頭活動で「改正を」の声
2024年11月7日 07:01
自動車を保有していると支払なければならない自動車関連の税金。現在の税制では自動車税や重量税など多重に税金がかけられていて、複雑かつユーザーに負担が重くかかる仕組みになっています。こうした税制の改正を求める活動が岐阜県で行われました。
自動車にかかる税金(普通車の場合)経済産業省のHPを元に作成
自動車にまつわる税金の種類「自動車税」「自動車重量税」
自動車に関連する税金にはどんなものがあるのでしょうか?
まず、自動車を購入した際に「自動車税」がかかります。経済産業省によりますと、燃費性能などに応じて「環境性能割」が適応され、車両の価格に対して普通自動車なら0~3%、軽自動車なら0~2%の税金が課せられます。
例えば100万円の普通車を購入する際、最大で103万円支払うことになり、うち3万円が「自動車税」となります。(消費税別)
「自動車税」は購入したあと、保有するのにもかかります。
毎年、総排気量に応じて2万5000円(1000CC以下)から11万円(6000CC超)の範囲で「自動車税」が課せられます。排気量が1800ccの一般的な自動車の場合、毎年、年度はじめに3万6000円を支払う必要があります。
他にも、自動車の重量に応じて課せられる「自動車重量税」もあり、こちらは、車を購入し新規登録する際と車検時に支払います。例えば、車両重量1.5トン以下の自動車を保有する場合、車検がくる2年ごとに2万4600円の「自動車重量税」がかかることになります。
さらに自動車を走らせる際に必要なのがガソリンです。
ガソリンには、1リットル当たり48.6円の「揮発油税」と1リットル当たり5.2円の「地方揮発油税」が加算され、その合計額に消費税がかけられる、いわゆる「TAX on TAX」の状態になっています。
ロードサービスを運営するJAFの計算によると、1年で1000リットルのガソリンを消費した場合、5万3800円のガソリン税(「揮発油税」+「地方揮発油税」)がかかります。そこに消費税が加わるというわけです。
JAF調べ(2024年)
自動車ユーザーの99%が負担に感じる
JAFが全国の18歳以上の自動車ユーザー約13万人を対象に行った「自動車税制に関するアンケート調査(今年5月1日~8月19日)」によると、98.9%とほとんどの人が自動車にかかる税金について負担に感じていると答えました。
街で自動車ユーザーの声を聞きました。
「結構な高額なので負担になる。ただでさえガソリン代やメンテナンスなどでお金がかかっているので」(60代男性・公務員)
「払うときに高いと感じる。これはなんのための税金なのかな?と思う」(30代女性・会社員)
「税金の項目が多すぎてよくわからないし、何に使われるために払っているのかも不明瞭で理不尽に感じる」(30代男性・会社員)
街頭活動の様子(JR岐阜駅前)
税制の改正を訴える街頭活動
自動車ユーザーに多大な負担を与える自動車の税制。
6日、朝8時。JR岐阜駅前では通勤通学の時間帯にあわせ、JAF岐阜支部や岐阜県自動車会議所などの自動車関連団体が税制の改正を訴え街頭活動を行いました。
「まずは税金がどれだけ負担をかけているかを改めて知ってもらいたい」(JAF岐阜支部事業課 荒木亮介さん)
この日の活動では、税金の見直しを訴えるメッセージカードが入った「入浴剤」が配られ、用意していた600個全てが道行く人の手に渡りました。
活動にかかわったJAF岐阜支部の荒木さんは、岐阜県内には自動車がなくてはならない地域もあり、税金の負担が重くのしかかる家庭も多いと話します。
「賛同の声が広がれば税制を変えることができるかもしれない。皆さん自動車の税金が漠然と高いという感覚はあると思う。まずは税金が高いということを具体的に知ってほしい。実際に車を運転している人に負担を意識をもらって少しでも税制改正を訴える声につながればと思う」(JAF岐阜支部事業課 荒木亮介さん)
JAFでは、今後、「自動車税」の環境性能割や「自動車重量税」などの廃止を訴える要望書を作成し、岐阜県内にある議員事務所などを通じ国会に声を届けたいとしています。
(メ~テレ記者 羽多野 裕也)