感染症が猛威 抗生物質は飲み切ることが大事 飲み残しで再発・悪化することも
2024年11月28日 11:05
東海3県では、インフルエンザなど感染症が猛威を振るっています。細菌性による感染症を治すための抗生物質。処方された分を飲みきらないと悪化する恐れもあるといいます。
名古屋市西区にある「みわた小児科」。27日朝も咳や鼻水などの症状で診察に訪れる子どもたちの姿が。
Q.きょうはどうして病院に来た
「1回咳が出たら、すごく咳が止まらないから」(診察を受けにきた人)
「きょう喉が痛くて、たぶん子どもの溶連菌が移ったのではないかと思い検査に来た」(診察を受けにきた人)
東海3県では県内の医療機関から報告されるインフルエンザの患者が流行の基準となる1人を上回り、流行期に入っています。
みわた小児科 三輪田俊介 医師
マイコプラズマ肺炎や溶連菌の患者も増加
このほか、マイコプラズマ肺炎や、感染性胃腸炎や、溶連菌感染症なども前の週と比べ増加しています。
三輪田俊介医師によると今の時期、マイコプラズマ肺炎や溶連菌の診断が多いといいます。
「特にそんなに熱もないし元気だが、空咳が続いていて、実はマイコプラズマだったということもあり、流行が拡大しているというところはあると思う」(みわた小児科 三輪田俊介 医師)
症状を改善するために様々な種類の中から適した薬が処方されますが、そのひとつにあがるのが「抗生物質」です。
「抗生物質というのは、まず何かに感染した時に、主にウイルス感染症と細菌感染症、ばい菌と言われている二つがある。抗生物質は細菌感染症に効く効果がある薬。例えば溶連菌という喉につく細菌感染症があるが、2種類の抗生剤を主に使うことがある。1つはセフェムという薬で、もう1つはペニシリンという薬。溶連菌感染症は最低でも5日間セフェムという薬を飲む。またはペニシリンだと10日間飲みましょうという世の中でガイドラインがあり、それに準じて治療している」(三輪田医師)
ウルフィアプリのアンケート「抗生物質飲み切っている?」
抗生物質 飲み残しても大丈夫?
「寒くなってきて感染症が気になる季節になってきました。処方される抗生物質、みなさんは正しく飲んでいますか」(メ~テレ 上坂嵩アナ)
「きっちり飲むようにしています。飲みきらないと良くないと聞くので、飲むようにしています」(保護者)
「薬によっては苦かったりするので、子ども自身が嫌がったり飲みきらないこともある」(保護者)
また飲み残しは子どもだけではなく…。
「私も途中でやめちゃうことがある。勝手に『治ったな』と思ったら、もういいやってなっちゃうこともある」(保護者)
ウルフィアプリを使ったアンケートでは20%の人が「症状が良くなったら残っていても飲むのをやめる」と回答。その理由として「次に体調不良になったときのため」や「症状が良くなり飲むのを忘れる」などとあげています。
自己判断で途中で飲むのをやめるのは大丈夫なのでしょうか
飲み残すと再発や悪化する可能性が…
「お薬は、これは必要だからということで出しているので、頑張って出された分を飲んでいただきたい」(三輪田医師)
やはり最後まで飲みきることが大事。ただ、多くの人が飲みきるとしながらも、飲みきらないといけない理由については「知らない」と回答する人が42%いました。
「中途半端な治療というのは、その病気そのものがぶり返すリスクもありますし、治療途中で残っている細菌というのは、抗生剤に対して我慢して耐えた細菌が残ることになるので、飲み残すことでまた増えるということは、抗生剤が効きにくい菌が増えていくことになる」(三輪田医師)
飲み残すことで、再発や悪化する可能性も。
一方で、飲みすぎると、抗生物質が効かなくなるような細菌が増えてしまう懸念があることなどから、医師は、適切な量と期間で処方しているといいます。
「特に抗生剤は中のまずい(苦い)やつをおいしい(甘い)のでコーティングしているので、中のまずい(苦い)やつが出てくる前に飲み切るように、なんとか頑張って飲んでもらうことが、子どもにおいての1つポイントかなと思います。抗生物質は、なるべく最低限の量を出しているものですから、それをしっかり飲みきっていただくことが本当に大切」(三輪田医師)
医療現場の薬不足も…
医療現場の薬不足
飲み切ってほしい理由について三輪田先生は「医療現場の薬不足」についてもあげています。
厚労省の福岡大臣も今月15日の会見で「状況は改善してきているものの、未だ供給不足が完全に解消されていない状況である」と話しています。
なので、三輪田先生は、途中で飲むのをやめると症状が再発したり悪化してさらに薬を追加処方しないといけなくなり、薬が足りない状況がさらに増える可能性があるので、抗生物質をふくめて薬は処方された分はしっかり飲みきってほしいと呼びかけています。