補助金縮小でガゾリン高騰か 来月にかけ10円値上がりの見通し スタンド「安いうちに給油を」
2024年12月9日 19:20
年末年始を前にガソリンを入れる人が増える時期ですが、来週からガソリンの補助金が段階的に縮小され、1月にかけてガソリンが10円ほど値上がりする見通しです。名古屋のガソリンスタンドを取材しました。
先週、経済産業省が発表したレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットルあたり175.4円となりました。
前の週より0.5円上がり、4週連続の値上がりとなっています。
名古屋市中区にあるタカラ石油では9日、レギュラーガソリンを会員価格で1リットルあたり161円で販売。
全国平均と比べるとかなり安いですが、それでも先週から2円ほど値上げしたといいます。
Q.今後のこの見通しは?
「来週の半ばぐらいに補助金が少し減るということを聞いているので、来週半ばになったらひょっとしたら値段が上がるかも」(タカラ石油 平野由次 所長)
レギュラーガゾリン・全国平均価格(経済産業省 資源エネルギー庁 発表)
1月16日以降は「185円程度」の可能性
ガソリン価格は、原油価格の値動きなどによって変動します。
原油の輸入価格が高騰するなか、本来ならば今年7月には1リットルあたり208.2円に、11月には190円台になるはずでした。
ところが、この間の小売り価格は175円ほどで推移。
「歯止め」となってきたのが、価格の急騰を防ごうと政府が出してきた補助金です。
しかし「激変緩和」を目的としてきた補助金は今後、段階的に縮小されることが決まっています。
12月19日以降の小売価格は「180円程度」に、来年1月16日以降は「185円程度」になる可能性が出ています。
「補助金が減るのは仕方がないですけど、やっぱり継続してある程度は補助を出していただかないとスタンドの方がもうあっぷあっぷです。(経営も厳しくなる?)うちの企業努力でなんとかこの価格になっていますけど、もう今限界の状態ですので、これ以上補助金が少なくなると困る」(平野所長)
今後の値上がりが見込まれるガソリン。お客さんの反応は…?
「どんどん高くなっているからビックリ、キツイですよね。負担が…」(給油に来た人)
「180円くらいになるんでしょ。きついなと思いながら仕事で使っているからしかたないなと。減税とかいろいろあるけど、ガソリン税の補助は続けてほしい」(給油に来た人)
タカラ石油 平野由次 所長
値上がり前の給油を呼び掛け
政府は11月、約14兆円規模の経済政策をまとめました。
そのうちガソリン補助金として約1兆円を計上しましたが、補助内容の見直しによって、今後、小売価格が185円を上回る可能性も出ています。
一方、価格が高止まりしている要因の一つである「ガソリン税」については減税を求める声がありますが…。
「議論を来年以降に先送りし、実施を再来年度以降にする」といった声も自民党内から出ており、見通しがたたない状況です。
今年も残すところ20日ばかり。年末年始の旅行シーズンを控え、9日も多くの車がタカラ石油に列をつくります。
「少しでも安いうちにガソリンを入れてほしい」と、店では値上がり前の給油を呼び掛けているといいます。
「来週の半ばよりも前に入れてもらえれば、今の価格とそんなに変わらない。今の状態だとどこまで上がるかちょっと見当がつかない」(平野所長)