「体育館も」エアコン設置 子どもたちの暑さや寒さをしのぐ 災害時に避難所としての役割も
2025年2月12日 19:18
災害時の避難所にもなる公立小中学校の体育館にエアコンを設置する動きが広がっています。暑さや寒さをしのぐには欠かせない一方で、課題は費用です。
「あったかーい!」(子どもたち)
愛知県みよし市の南部小学校。外には寒波の影響が残るなか、体育館で子どもたちが歓声を上げる理由は?
みよし市は、2022年度から4校ずつ市立小中学校の体育館にエアコンをつける工事を進めてきました。このほど、全12校で設置が完了しました。
「夏場は非常に暑くなっているので、体育館で授業を行うことに支障が出ているという状況があり、それを変えていきたいというのがいちばんの出発点」(みよし市 小山祐 市長)
補助金を含め、約10億6600万円をかけた小中学校の体育館へのエアコン設置。
夏は冷房、冬は暖房で快適に児童たちが過ごせるだけでなく、もうひとつ大きな役割があります。

体育館の外にあるガスボンベの入った倉庫
電気やガスが止まっても利用可
「エアコンはLPガスで動くため、電気やガスが止まっても利用することができます」(記者)
市内12の小中学校は、地震などの災害が発生したときの広域避難所に指定されています。
体育館の外にあるのはガスボンベの入った倉庫。
都市ガスや電気のインフラが被害を受けても、最低3日間はエアコンを動かせるといいます。
万一の時でもガスを優先して使えるよう、みよし市は愛知県LPガス協会との間で協定も結んでいます。
「この空調設備があることで地域の皆さんが、あるいは子供たちが安心してこの体育館を使うためのエアコンとして活用してもらえると嬉しいなと思っています」(小山市長)

体育館に設置された気温計では約3℃の寒さ
体育館への空調設備の設置、名古屋市は
一方、名古屋市北区にある如意小学校。
教室や職員室などにはエアコン設備の設置が進んでいますが、体育館への設置はまだ行われていません。
「本校はまだいつ設置されるかなどについては未定。(如意小学校では設置に関しては待つしかない?)それが現状になっています」(如意小学校 堀内克俊 教頭)
名古屋市教育委員会によりますと、市内では今年度から5年をかけて、市立小学校のエアコン整備を進めるとしていて、3月までには市内260校のうち52校の体育館に設置されることになっています。
しかし、先週東海地方に大雪などをもたらした、今シーズン”最強寒波”をはじめ、厳しい寒さも続いています。
体育館に設置された気温計は、約3℃。運動せずに過ごしていると、体がじわじわと冷えていきます。
「白い息が見えているがいつもこれぐらいの寒さの中で、子どもたちは体育をやっている」(堀内教頭)
如意小学校 堀内克俊 教頭
体育館は避難所としての役割も
卒業式など、体を大きく動かさない時間が長い行事のときは、ストーブを使用しているということですが…。
「ストーブだと広い空間なのでなかなか暖かくはならない。ここが避難所になっているので近隣の住民が集まることが考えられる。住民の皆さんが(被災時に)一晩を過ごすことを考えると暖房設備は大変重要になると思う」(堀内教頭)
能登半島地震発生時には、暖房器具が使用できなかった避難所もあり、被災者の”寒さ対策”が課題のひとつとなりました。
避難所になりうる学校の体育館。エアコンの早急な設置は重要だといいます。
「この体育館を開放する場面もあるので、その中で住民の皆さんも快適に過ごしてもらうため、早く暖房設備が整うといいと思う。(能登の地震の時も冬だったので避難所の寒さが厳しいという話も…備えとしてエアコンは必要?)それが第一ですね」(堀内教頭)